福岡天神内視鏡クリニックブログ

長生きしたい人必見!カロリー制限すると老化が遅くなる?

おはようございます。医師の秋山です。

 

さて、今回はカロリー制限の話です。

 

 

 

 

 

 

 

私は先日、「粋な腸活」と題しまして、粋な男性、粋な女性になるために必要な腸活についてYouTubeで動画をアップしました。

 

この動画の中で、私がポロリと

「人はカロリー制限をすると寿命が伸びると言われている」

と言ったのですが、視聴者から、どういうことか教えてほしいと質問がありましたので、ここで解説したいと思います。

 

まず、この根拠となる報告があるのですが、それが「CARELIE試験(カロリー試験)」という有名な臨床研究試験です。

Ravussin E,et al,” A 2-Year Randomized Controlled Trial of Human Caloric Restriction: Feasibility and Effects on Predictors of Health Span and Longevity” J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2015 Sep;70(9):1097-104.

 

この研究のテーマですが、

「ヒトは長期間カロリー制限をすると、健康や老化にどのような影響があるのか」

というものです。

実は、線虫、ラット、サルでは、カロリー制限において寿命が伸びることが証明されており、人間でも同じことが起こるのかを目的とした臨床研究試験となっています。

 

このCARELIE試験ですが、フェーズ1とフェーズ2に分かれています。

フェーズ1は、長期間カロリー制限をするにあたり、どれくらいのカロリー制限が安全に実行できるのかを目的としており、フェーズ2では、フェーズ1での結果を元に実施されたランダム化比較試験となっています。

 

まずはフェーズ1の結果です。

対象:健康的な成人で、BMIが正常から軽度肥満の方を対象

食事:食事を摂ってもらい、カロリーを25%~30%減

期間:6ヶ月〜12ヶ月

これで大きな健康的な問題はなかったとのことでした。

 

これを踏まえ、フェーズ2のランダム化比較試験が始まりました。

対象:健康な成人で、BMIが正常から軽度肥満を対象

ランダム化:19名は食事を自由摂取。34名は25%カロリー制限を目標

期間:2年間

 

ここで面白いのが、カロリー制限群です。

やり方としては、個々人の必要摂取カロリーを計算し、その25%減の食事量を決めます。

初めの1ヶ月は研究施設から食事が提供されています。これは25%減の食事量を理解させ、かつ慣れさせるためです。

その後の食事は個々人にお任せすることになっていました。もちろんその間も、食事記録をつけ、定期的なカウンセリングも行っています。

ところが、もちろん初めの1ヶ月はきっちり25%減のカロリー制限ができているのですが、

6ヶ月後→約19%のカロリー制限

12ヶ月後→約15%のカロリー制限

24ヶ月後→約12%のカロリー制限

 

と、だんだんと緩くなってました。まあ、個人に任せてしまうとどうしても自分に甘くなってしまいますからね。これは仕方ないのかもしれません。

全体で平均すると、10~15%のカロリー減になるそうです。

でもこれくらいのカロリー減なら我々もちょっと頑張ればできそうな気がしますよね。

 

それを踏まえての結果をざっくりとまとめると

体重が約10%減少

インスリン感受性が改善

体内の炎症が低下

血圧が低下

脂質が低下

心血管系リスク改善

酸化ストレス低下

睡眠改善

QOL改善

といった効果があったとのことでした。

 

そして老化に関してですが、このCARELIE試験を元にまとめられた論文が2023年に発表されました。

Waziry R,et al,” Author Correction: Effect of long-term caloric restriction on DNA methylation measures of biological aging in healthy adults from the CALERIE trial” Nat Aging.2023 Jun;3(6):753.

 

難しいことは抜きにしてざっくりと結果を言いますが、

1年で1歳老化するのが普通ですが、10~15%程度のカロリー制限で、1年で0.97歳老化するとのことでした。

つまり、老化の速度が3%ほど低下するということです。

これは、健康寿命を10~15%伸ばす可能性があるのではないか、とのことでした。

 

もちろんこの試験には色々問題はありますよね。

2年間という期間だけしか見てませんし、老化の速度が3%低下することで、本当にそこまでの健康寿命が伸びるのかもあくまで推定です。

ただ、このCARELIE試験の面白いところは、極端な絶食やカロリー制限をする必要がなく、ゆるいカロリー制限でここまでの成果が出ているところです。

 

いかがだったでしょうか。

いつもより少しだけカロリー制限をするだけで、健康に寄与する効果が沢山あり、かつ老化も遅れさせることができるんですね。

健康のため、長生きするために、緩めのカロリー制限を行ってみるのもいいかもしれませんね。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。