こんにちは、医師の中島です。
前回は自律神経を乱さない生活習慣について、生活の一部をルーチン化して選択の機会を減らし、心に余裕をもたせましょうということでした。
同時に、ルーチン化を自律神経の日内変動に沿わせることも重要です。
その点では、まず「夜は帰宅後すぐ座らない」ことが大切です。
たとえば、毎晩疲れて帰宅したあと「すぐに座ってくつろぐ」習慣があるなら、できるだけ避けましょう。
家に帰ってすぐにソファなどに座り込むと、二度と動くのがイヤになり、ダラダラ過ごして夜更かしにつながったり、やるべきことが翌朝に残ったり・・・と罪悪感とともに悪いリズムができてしまいます。
座ってくつろぐ前に「靴を磨く」「カバンや財布を整理する」「翌日の服装を決める」「郵便物を確認する」などの作業をルーチン化させましょう。
交感神経は夜に向かってなだらかに低下するものであり、活動から停止(すぐ座る)へと急激に切り替えるのは自律神経の乱れの原因になるのです。
やるべき作業を済ませた後なら、食事や入浴のときのリラックス感も大きく、スムーズに副交感神経へとシフトできます。
私は帰宅後、まずお風呂を済ませてから翌日の準備や郵便物の整理、植栽への水遣り、そして夕飯を摂り、ゆっくり過ごすようにしています。帰って少し動いてからその後ゆっくりする感じですね。このような習慣になってから、寝つきがよくなり熟睡感が増した気がします。
ですから、帰ったあとは敢えて少し動くことをお勧めします。
疲れているから動くのは辛い、という気持ちもわかりますが、現代人の疲労は肉体より神経の疲れのことが多いので、動かない(すぐ座る)ことでは解消しにくいのです。むしろ疲れたときこそ身体を動かすことが大事です。やるべき作業を片づけてスッキリしてから休めば、副交感神経が存分に働いて睡眠の質も上がり、良いリズムを取り戻すことにつながります。
いかがでしたか?
次回は副交感神経が蘇るコツについてお話します。
週の中日ですね、一息ついて後半も頑張っていきましょう。