福岡天神内視鏡クリニックブログ

腸内細菌の回復力を高めましょう!

おはようございます。医師の秋山です。

 

さて、今回は腸内細菌のレジリエンス(回復力)について話をしたいと思います。

我々は日々の生活の中で、お腹を壊したり、病気になって抗生物質を飲んだりすることってよくありますよね。

 

そんな時、必ず自分が持っている腸内細菌はバランスを崩しています。

ところが、いつまでも腸内細菌はバランスを崩したままではなく、頑張って元に戻ろうとするんです。

これを、「腸内細菌のレジリエンス(回復力)」と言います。

当然ですが、この腸内細菌のレジリエンスが高ければ高いほど、お腹の調子も元に戻りやすいんです。

 

このレジリエンスは、普段の生活から気をつけることによって高めることができます。

どのようにしたらレジリエンスを高めることができるのでしょうか?

 

一般的に以下を意識すれば大丈夫です!

 

①普段から食物繊維をしっかりと摂る

しっかりと食物繊維を摂ることで、腸内細菌の多様性が上がり、レジリエンスが高まるという論文報告があります。

Katharine Michelle Ng, et al;” Recovery of the Gut Microbiota after Antibiotics Depends on Host Diet, Community Context, and Environmental Reservoirs” Cell Host Micobe. 2019 Nov13;26(5):650-665

 

②整腸剤、発酵食品などで乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌を摂取する

いわゆるプレバイオティクスという概念です。最近では、ポストバイオティクスが主流となっています。

ポストバイオティクスとは、「腸内細菌が産生する有益な代謝産物や、死んだ善玉菌を摂りましょう」という概念で、2021年に国際プロバイオティクスおよびプレバイオティクス協会(ISAPP)が提唱しました。

つまり、別に生きた乳酸菌を生きたまま腸に届ける必要はないですよ、という意味ですね。

 

③ストレスを溜めないようにして、しっかりと睡眠をとる

ストレスが溜まると、腸内細菌の多様性が低下するという報告があります。

Lu Ma, et al;” Psychological Stress and Gut Microbiota Composition: A Systematic Review of Human Studies”Neuropsychobiology.2023;82(5):247-262

 

また、ストレスにより腸漏れが起こってしまうという報告もあるので要注意です。

Komal Marwaha, et al;” Exploring the complex relationship between psychosocial stress and the gut microbiome: implications for inflammation and immune modulation”J Appl Physiol(1985).2025 Feb1;138(2):518-535

 

ストレスがない人はいないと思いますので、ストレス発散が鍵ですね。

 

いかがだったでしょうか。普段から食物繊維を摂り、整腸剤や発酵食品などで善玉菌を摂り、ストレスを溜めないようにしましょう。

そうすれば、腸内細菌のレジリエンスも自然と上がってきます。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。