福岡天神内視鏡クリニックブログ

身体が喜ぶ食べ合わせ術 part 12

こんにちは、医師の中島です。

今回はアブラについてのお話です。

 

テーマ : オメガ3脂肪酸+ビタミンC

目次 :

1,  胃腸にとって良いアブラとは

2, 頭の働きにも関与するオメガ3

3, 頭の働きを高めるオメガ3

4, アブラの働きを補完する栄養素とは

5, 理想の食べ合わせ

 

胃腸のために良いアブラを!

身体に良いといわれている、オメガ3脂肪酸とオメガ9脂肪酸、動脈硬化のリスクを低下させる効果があることはよく知られた事実ですが、実は胃腸にもいい効果があることはご存知でしょうか?

オメガ3脂肪酸には、ドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)、α-リノレン酸(ALA)があります。

DHAやEPAは、主にマグロ、ブリ、アジ、イワシ、サンマ、サバなどの青魚などに含まれ、ALAは大豆や亜麻仁油などに含まれています。

一方、オメガ9脂肪酸の1種であるオレイン酸は、オリーブオイルに含まれています。

実は、オメガ3脂肪酸には体内の炎症反応を抑制する働きがあります。炎症を誘発する炎症性サイトカインを減少させ、抗炎症サイトカインを増加させることで、炎症性腸疾患や、アレルギー性疾患、リウマチなどの慢性炎症に有効とされています。

そのほか、腸の細胞間のタイトジャンクションの破壊を防ぎ、バリア機能を回復させるという報告もあるため、リーキーガット症候群にも有効です。

リーキーガットについては、こちら→

【要注意】腸漏れになりやすい代表的な食事・食べ物4選を紹介

また、いい油は便をつるっと出す手助けにもなるため、便秘がちな人にもおススメです。

 

頭の働きにも関与するオメガ3

私たちの脳の約60%はアブラで出来ており、脳細胞の受容体という部分は、オメガ3脂肪酸で構成されているため、「脳細胞の情報伝達」という機能において大変重要な物質です。

トランス脂肪酸などの質の悪いアブラを摂り続けてしまうと、受容体の正常な機能を妨げてしまい、やがて認知症やADHDなどを引き起こす原因になると考えられています。

 

頭の働きを高めるオメガ3

オメガ3は学習能力にも影響します。脳は常にたくさんの酸素を必要としていますが、オメガ3を摂ることで血液がサラサラになり、脳に酸素が送り込まれやすくなります。受容体の情報伝達機能の向上に加え、酸素が十分に行き渡ることで、脳の働きは格段に高まります。

また、胎児期は脳をはじめ、各器官が猛烈な勢いで形成されている時期であり、母体がどんなアブラを摂るかということに大きな影響を受けます。子供たちと同様、妊娠中の方にもオメガ3の積極的な摂取をおすすめします

 

アブラの働きを補完する栄養素を同時に摂る

老化や病気の原因となる活性酸素、それを抑える手助けをしてくれるのが、ビタミンCに代表される抗酸化栄養素です。ビタミンCで活性酸素を、オメガ3脂肪酸で炎症を抑えることで、アブラの有効性を最大限に生かすことができます。

 

オメガ3脂肪酸とビタミンCの理想の食べ合わせ

アマニ油✖️野菜

アマニ油はオメガ3を「地球上の植物で最も豊富に含む」といわれる亜麻の種子から採った油で、成分の50%前後がオメガ3です。

情報伝達物質アセチルコリンの生成に欠かせない物質「レシチン」や、抗酸化作用のある「カロテン」も含みます。

 

野菜の中でビタミンCを豊富に含むものとしては、山芋、ジャガいも、カリフラワー、レンコン、ブロッコリーなどが挙げられますが、特に芋類に含まれるビタミンCは、でんぷん質で守られているため、加熱しても壊れにくいという特長があります。

 

おすすめは温野菜サラダ!

アマニは大変酸化しやすいため、加熱せずに摂ることが大切です。野菜や納豆、豆腐などにそのままかけていただくことをおすすめします。野菜は茹でるのではなく、蒸して調理すると、栄養素が茹で汁に逃げることなく、本来の栄養素と風味が活かされます。ちなみに最近は、せいろで蒸した野菜を粗塩につけて食べるのがマイブームです。

 

いかがでしたか?

私を含め、つい肉料理が多くなる方も多いかもしれませんが、日々の食卓に週2回は新鮮な青魚を取り入れましょう。料理に使う油はアマニ油かオリーブオイルがおすすめです。

 

週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。

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