おはようございます。医師の秋山です。
さて、今回は甘味料の話をしたいと思います。
美味しく食べるために欠かせない調味料の1つとして、甘味料がありますよね。子供から大人まで甘い食べ物はみんな大好きです。
この甘味料ですが、天然のものから人工のものまで様々あります。人工甘味料が腸内環境に悪影響を及ぼすことは以前も解説しましたが、今回は、どの甘味料が腸内環境に良い影響を及ぼすのか解説したいと思います。
①ラカンカ

ラカンカは亜熱帯地域で育つウリ科の植物のことで、非常に栄養価が高く、鉄、カルシウム、マグネシウム、ビタミンEなどの栄養成分が含まれています。
そんなラカンカですが、腸内環境を悪化させないという論文報告があります。
Siyuan Wang, et al,” Mogroside-Rich Extract From Siraitia grosvenoriiFruits Ameliorates High-Fat Diet-Induced Obesity Associated With the Modulation of Gut Microbiota in Mice” Front Nutr.2022 Jun 13:9:870394.
さらにラカンカは善玉菌を増やし、短鎖脂肪酸を増加させるという報告もあり、悪化どころか腸内環境を良くしてくれるんです。
ラカンカのモグロシドとガラクトオリゴ糖(GOS)を組み合わせた新たな低カロリー甘味料について、試験管内実験では Bifidobacterium や Lactobacillus のような善玉菌の増殖を促し、さらに 酢酸、プロピオン酸、酪酸といった短鎖脂肪酸(SCFAs)の産生を高める結果が報告されています。
Muñoz-Labrador A,et al,” Prebiotic Potential of a New Sweetener Based on Galactooligosaccharides and Modified Mogrosides” J Agric Food Chem.2022 Jul 27;70(29):9048-9056.
②ステビア

南アメリカを原産としたキク科の植物です。葉に含まれる甘味成分を抽出したものがステビアです。砂糖より甘いのですが、ほぼゼロカロリーという優れものの甘味料です。
そして、ステビアは腸内環境を悪化させないという報告があります。
Singhら (2024) の研究では、健康な正常体重の成人に「1日2回、ステビア5滴」を12週間摂取させて評価しました。その結果、腸内細菌叢の多様性や主要菌群の後世に有意な変化はなかったとのことです。
→ステビアは腸内環境を悪化させることはないという結論になります。。
Gurdeep Singh, et al, “Consumption of the Non-Nutritive Sweetener Stevia for 12 Weeks Does Not Alter the Composition of the Human Gut Microbiota” Nutrients.2024 Jan18;16(2):296.
いかがだったでしょうか。
ラカンカやステビアは腸内環境に悪影響を及ぼすことはないと考えられます。一度これらを普段の料理に使ってみるのも良いのではないでしょうか。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。