おはようございます。医師の秋山です。
今回はワクチンと認知症の話をしたいと思います。

昨年、帯状疱疹ワクチンを打つと認知症の発症リスクを軽減するという報告がありました。
Eyting M,et al,” A natural experiment on the effect of herpes zoster vaccination on dementia” Nature. 2025 May;641(8062):438-446.
このメカニズムなんですが、
①ワクチンを打つことにより、帯状疱疹ウイルスに対する免疫力が上がる。
②体内に住んでいる帯状疱疹ウイルスの再活性化を防ぐ。
③脳に毒が溜まりにくくなり、認知症予防につながる。
こんな感じです。
帯状疱疹ウイルスは、子供の頃の水ぼうそうの原因ウイルスであり、そのまま体に残って神経節に潜伏しているんでしたね。
実はこのウイルスが、歳を重ねるにつれて中枢神経で微細な再活性化を起こし、これにより中枢神経で慢性的な炎症を起こすことで認知症を発症する原因になっているのではないか?
つまり、ワクチンを打つことで、この微細な再活性化を早めに防ぐことで、認知症を予防してくれるのではないか、というメカニズムです。
そして最近、また興味深い論文も報告されました。
Maggi S,et al,” Association between vaccinations and risk of dementia: a systematic review and meta-analysis” Age Aging, 2025 Oct 30;54(11):afaf331.
我々が一般的に受けている各種ワクチン接種が、認知症の発症リスク低下と関連があるかを調べた論文です。
2025年1月1日までに世界中で発表された、ワクチンと認知症発症率を調べた論文21件の結果をまとめてメタ解析してます(合計1億40万人の統計です)。
ワクチンと認知症リスク低下は以下の通りで
帯状疱疹ワクチン 認知症リスク0.76(認知症リスクが24%低下)
インフルエンザワクチン 認知症リスク0.87(認知症リスクが13%低下)
肺炎球菌ワクチン 認知症リスク0.64(認知症リスクが36%低下)
我々に馴染みがあるインフルエンザワクチンも認知症リスクが低下するとはなかなか面白いですね。
ワクチンが認知症リスクを下げるメカニズムは今もよく分かってないと論じていますが、おそらくどのワクチンも、上述したようなメカニズムで認知症を予防するのではないかと思います。
非常に面白いですね。近い将来、ますます色んなことがわかってくるのではないかと思います。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。