福岡天神内視鏡クリニックブログ

この便大丈夫?

おはようございます。
緊急事態宣言解除後の福岡はこれまで休業していたお店の営業が再開され、天神も徐々に活気が戻ってきました。非常に嬉しい限りです。

さて、今回は病気が疑われる便についてお話ししたいと思います。
何だか今までと違う便がでるようになったという方はいらっしゃいませんか?
次のような便が続けて認められる場合は、精密検査が必要な可能性があります。

① 黒色便(タール便)
血液は、鉄分を含むため、胃酸と混ざると黒く変色します。この血液を材料に便が作られると黒色便になります。コールタールに似た色のためタール便とも言います。
食道や胃、十二指腸といった上部消化管からの出血を疑います。胃カメラでの検査が必要です。
ただし、イカ墨料理摂取後や鉄剤、薬用炭を内服中の方は薬のせいで黒くなることもあります。

② 暗赤色便
血液は時間が経つと暗赤色に変色します。胃酸と混ざらない部位の消化管からの出血を疑います。特に盲腸や上行結腸などの深部結腸から出血しているケースが多く、大腸カメラでの検査が必要です。

③ 血便
小腸や大腸の奥から出血した場合は、排便までに時間がかかるため、暗赤色便になりますが、肛門に近い部位に近づくにつれ、血液そのものに近い便になります。大腸カメラでの検査が必要です。

④ 粘血便
細菌性赤痢やカンピロバクター腸炎、潰瘍性大腸炎などを疑います。。
イチゴゼリー状の場合は、アメーバ性大腸炎を疑います。
お腹の症状や発熱の有無、いつから症状がはじまったかなどの経過により採血や便の検査、大腸カメラなどの検査を検討します。

⑤ 灰白色便
急性肝炎や胆石症、胆管癌など胆汁の分泌が悪くなる病気や膵癌などの膵疾患などでみられます。
肝臓や膵臓の検査が必要になります。
レントゲンを用いた胃透視検査を受けた場合にも見られますが、この場合は問題ありません。

⑥ 米のとぎ汁様の便(灰白色の水様便)
コレラ、ロタウイルス感染症を疑います。
採血や便の検査などを行います。

⑦ 脂肪便(便に脂肪が混ざり、便が水に浮く)
慢性膵炎などの膵液の分泌が悪くなる病気や吸収不良症候群などを疑います。
いつから症状がはじまったかなどの経過により必要な検査を行います。

上記はあくまでも大雑把な例となりますが、普段と違う便がでて心配な際はお気軽にご相談ください。

写真は当クリニックのテラスです。気持ちいい季節になってきました。
当クリニックでは三密を避けるために、待合室だけでなく、テラスでお待ちいただくことも可能です。
診察後もゆっくり過ごして頂けます。是非、お気軽にお越しください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。