おはようございます。
今回は逆流性食道炎シリーズの第10回です。
コーヒーや紅茶、緑茶などのカフェイン飲料や炭酸飲料、アルコール飲料を摂ると胸やけや胃もたれなどの症状がでることありませんか?
これらの飲み物は逆流性食道炎の症状を悪化させます。
今回は、これらの飲み物がどうして逆流性食道炎の症状を悪化させるかについてお話ししたいと思います。
①カフェイン
カフェインは胃を刺激して胃酸の分泌を促進します。
また、カフェインには食道胃接合部の締め付けを調節している下部食道括約筋をゆるめる作用もあるため、胃酸の食道への逆流を増やし、逆流性食道炎の炎症を悪化させます。
カフェインの入ったものを摂ると、胸やけ症状などが起こる場合は、摂取を控えましょう。
②炭酸飲料
二酸化炭素を高圧で水に溶かした飲料が炭酸飲料です。
このため、炭酸飲料を飲むと溶けている二酸化炭素が胃内で気化してガスを発生するため、胃が膨満し内圧が高まりゲップとなり口から出やすくなります。
このときに下部食道括約筋が緩みやすくなるため、胃酸が食道に逆流し易くなり逆流性食道炎の炎症を悪化させます。
③アルコール飲料
「酒は百薬の長」という言葉がありますが、少量のアルコール摂取は胃酸の分泌促進効果、胃の血流改善による胃機能の活性化、食欲増進効果があり、身体にとってプラスになる点もあります。
しかし、多量のアルコール摂取は、過剰な胃酸分泌を促進し、胃酸が食道に逆流し易くなります。
さらに、アルコールは食道下部の平滑筋に作用し、下部食道括約筋をゆるめたり、食道の蠕動運動を低下させるため、食道に逆流してきた胃酸を押し戻す機能も低下し、胃酸が食道に逆流し易くなります。
特に、ビールなどのアルコール+炭酸飲料のものは、炭酸の作用により胃が膨張し内圧が高まるため、より胃酸逆流を促進するため、最も症状を悪化させる飲み物です。
アルコール度数の強いお酒をロックで飲んだり、空腹時に飲酒するのも食道や胃の粘膜を痛めるためお勧めしません。
過度な飲酒は避け、どうしても飲みたいときはビールなどの発砲タイプのアルコールは避け、飲酒量を少量にとどめましょう。
飲む場合の適度な飲酒量は、日本酒であれば1日当たり1合程度、ウイスキーなら1日当たりダブルで1杯程度、焼酎ならコップ1/2杯程度にとどめておくのが良いでしょう。
この量でも症状が出現する場合は、飲酒は止めましょう。
逆流性食道炎の症状は生活習慣の改善を意識すると薬を飲まなくても随分軽快します。
酸逆流症状がある場合は、まずは食習慣を見直してみましょう。
お悩みの場合は、是非一度ご相談ください。