おはようございます。
今回は逆流性食道炎シリーズの記念すべき!?第20回です(笑)
今回からは、逆流性食道炎シリーズの締めくくりとして逆流性食道炎の治療で使う薬について何回かに分けてお話ししていきたいと思います。
今回はその導入として逆流性食道炎の薬物治療の概要を簡単にお話しします。
逆流性食道炎(びらん性胃食道逆流症)は、症状が続くと食事量が減り、痩せたり、体力が低下したり、仕事や勉強に身が入らないなど日常生活の質が低下するつらい病気です。
一番大切な治療は生活習慣改善や食生活の改善などの根本的な原因を改善することですが、これらは効果が出るまでに時間がかかり即効性がないため、症状が強くて非常に辛い思いをしている場合は、生活習慣の改善を行いながら、その症状を緩和させるために薬による治療も併せて行います。
逆流性食道炎は胃酸が食道に逆流することで、食道の粘膜が傷つき、びらんやただれなどの炎症を起こしてしまう病気です。
当然、食道に逆流する胃酸の量が少なくなればなるほど、粘膜の炎症は起こりにくくなります。
また、食道の粘膜は刺激に弱く胃と違って、胃酸の刺激から身を守る術がないのも炎症を起こす原因です。
このため、逆流性食道炎の治療に使う薬は、主に次の様なアプローチで炎症を鎮めたり、症状を改善させることを期待して開発されています。
①そもそも胃酸の量を減らせば良いじゃん
②胃の動きをスムーズにして食道に逆流しにくくすれば良いじゃん
③胃酸が出過ぎるなら酸の強さを中和すれば良いじゃん
④食道粘膜が刺激に弱いなら刺激に負けないように守ってあげれば良いじゃん
実際に私たち消化器内科医が逆流性食道炎の患者さんの治療に使う薬は、この4つのどれかの効果が期待できる薬です。
これらを患者さんの症状や炎症の程度に併せて、単独で使用したり、組み合わせて使用し治療します。
とはいえ、繰り返しになりますが、逆流性食道炎の一番大切な治療は生活習慣改善や食生活の改善などの原因の改善です。
これには患者さん自身の努力も必要です。
この根本的な原因の改善を行わず、薬による加療だけを行っても効果があまり得られないだけでなく、一時的に効果があったとしても、薬の服用を中止するとすぐに再発してしまいます。
また、長期間漫然と薬を使用すると、副作用のリスクもあります。
逆流性食道炎を指摘された場合は、生活習慣を改める良い機会です。
まずは現在の習慣を一度見直してみましょう。
次回以降はそれぞれの薬についてお話ししていきたいと思います。
症状でお悩みの場合は、是非一度、ご相談ください。