福岡天神内視鏡クリニックブログ

ビタミンDはなぜ花粉症に効果があるのか?

おはようございます。医師の秋山です。

 

私は以前、咳喘息や花粉症などのアレルギー症状に悩まされていましたが、ビタミンDがアレルギーに効果があるという報告を聞き、ビタミンDサプリメントを飲むようになりました。

サプリメントなので即効性は期待できないのですが、続けて飲むことにより、今では咳喘息や花粉症の症状は出なくなってます。

 

それでは、そもそもなぜビタミンDが花粉症に効果があるのでしょうか?簡単に解説したいと思います。

 

私たちの免疫を担当しているリンパ球などの免疫細胞に、ビタミンD受容体というものが存在しているのですが、ここにビタミンDがくっつくことにより、免疫力のバランスをうまく調節してくれます。

 

免疫力は、強すぎるとリウマチ、膠原病などの自己免疫疾患が発症したり、喘息や花粉症などのアレルギーが出やすくなります。反対に弱すぎると、細菌やウイルスの感染症にかかりやすくなります。がん細胞をやっつける力も弱くなってしまいます。

この強すぎず、弱すぎずのバランスを保つのがビタミンDです。

 

つまり、花粉症などのアレルギーは、免疫力がちょっと強くなってしまってますから、これをうまくコントロールしてくれるのがビタミンDなんです。

 

ビタミンDは食べ物からきちんとした量を摂るのは大変です。ですので、ここはサプリメントを飲むのが効率的ですね。

それでは、ビタミンDのサプリメントを摂ることにより、どのくらいから効果が出てくるのでしょうか?

これは、ビタミンDの血中濃度が定常状態に落ち着いてくると効果が出てきます。

 

ビタミンDは、25(OH)ビタミンDの血中濃度を指標として測定します。

この25(OH)DビタミンDの血中濃度の半減期は約3週間と言われています。

薬理学的に、薬やサプリメントを毎日飲んでいれば、血中濃度が定常状態(血中濃度が一定にになる)に達するまでに、半減期の4倍の時間を要すると言われています。

 

つまり、ビタミンDの血中濃度は、半減期3週間の4倍=12週で血中濃度が定常状態に達することになります。

ということは、花粉症が流行りだす3ヶ月前からビタミンDのサプリメントを飲み始めれば良いことになります。

 

花粉症の時だけビタミンDを使っても良いのですが、ビタミンDには免疫力を上げてくれるだけでなく、感染症の予防や骨粗鬆症の予防、そしてがんを予防してくれる様々な良い働きがあるので、常に摂取して最適な血中濃度を保つことをお勧めします。

 

いかがでしょうか。今や日本人の98%がビタミンD不足と言われていますので花粉症の方はぜひ参考にされてください。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。