おはようございます。医師の秋山です。
さて、私は以前このブログで、炭水化物がどのように腸内環境に影響を及ぼすかを解説しました。
今回は、残りの3大栄養素であるタンパク質と脂質が腸内環境にどう影響するかを解説したいと思います。
まずはタンパク質です。
タンパク質はきちんと摂取すれば、腸内細菌の多様性が上がると言われています。
タンパク質には、肉、魚、卵などの動物性タンパク質と、大豆などの植物性タンパク質に分類されます。
動物性タンパク質と植物性タンパク質は1:1で摂るのが理想と言われています。
これはなぜかと言うと、実は、動物性タンパク質を摂り過ぎると悪玉菌が増えると言われておりますので注意が必要なんですよね。1)
1)Singh RK,et al:J Transl Med,15:73,2017
一般的に、体重あたり1日1.0~1.5gのタンパク質を摂取することが必要だと言われていますが、タンパク質は食べ溜めができない栄養素ですので摂り過ぎてもあまり意味はありません!しかも動物性タンパク質を摂り過ぎると悪玉菌が増えて逆効果になってしまいます。
おすすめは、動物性タンパク質と植物性タンパク質をまとめて一緒に摂ることです。
皆さん、動物性タンパク質を摂りすぎず、自分の体重に合ったタンパク質量を上手く摂取しましょう。
次に脂質です。
体に有益となる脂質と体に悪影響を及ぼす脂質がありますが、中鎖脂肪酸や、不飽和脂肪酸などは、善玉菌を増やすと言われています。
反対に、体に悪影響を及ぼす脂質、例えば飽和脂肪酸を摂り過ぎると、インドールなどの体に有害な物質を産生するウェルシュ菌といった悪玉菌を増やしてしまいます。
また、ある報告では、総カロリーの40%以上を脂肪が占めるような高脂肪食を摂り続けると、腸内環境が悪くなるとのことです。2)
2)Wan Y,et al:Gut 68,1417-1429,2017
しかも、高脂肪食が腸内環境を悪くする効果は強いと言われており、普段から健康的な食生活をしている人が、高脂肪食に変えると、わずか数日で腸内環境が一気に悪くなるという結果も出ています。3)
3)O’Keefe SJ,et al:Nat Commun,6:6342,2015
中鎖脂肪酸やオメガ3脂肪酸などは、健康に寄与すると言われていますので毎日積極的に摂取したいところです。
その代わり、悪玉菌を増やしてしまう飽和脂肪酸の摂りすぎには注意しましょう。
いかがだったでしょうか。
タンパク質も脂質も摂り過ぎは腸内環境を悪くしてしまいますので気をつけましょう。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。