おはようございます。医師の秋山です。
さて、この度、ある出版会社と共同して本を出版することになりました!
平島理事長と私の共著になります。9月発売を目指して現在執筆中です。
本を執筆するのは初めてですが、これがまた結構大変な作業です。しかしながらこの年になって新しい経験ができることに感謝しています。出来上がりが楽しみです。
さて、今回は喫煙と腸内環境について解説します。
喫煙と腸内環境はどのようなつながりがあるのでしょうか?
喫煙ってなんとなく体に悪いイメージがありますから、喫煙することで腸内環境が悪くなるような気がしますよね。
その通りです!
喫煙者は、非喫煙者と比べると、腸内細菌の多様性が低下するという報告があります。
Biedermann L,et al:PLoS One,8:e59260,2013
さらに、喫煙者は口腔内の細菌の多様性も低下するという報告もあるんです。
Yu G,et al:Microbiome.5:3,2017
つまり、喫煙によって口腔内環境も腸内環境も悪くなってしまうんですね。やはり喫煙は恐ろしい。
また、国立がん研究センターの報告ですが、喫煙者は咽頭がんのリスクが2.4倍に上がり、大腸がんのリスクが1.4倍に上がると言われています。
これは、口腔内や腸内の細菌の多様性が低下することと関連があると考えられます。
また、喫煙により、善玉菌が産生する短鎖脂肪酸が減ることが報告されており、さらに、悪玉菌が毒素を作るスイッチをオンにしてしまうという報告もあります。
Savin, Z.; Kivity, S.; Yonath, H.; Yehuda, S. Smoking and the intestinal microbiome. Arch Microbiol 2018, 200, 677-684, doi:10.1007/s00203-018-1506-2.
いかがでしょうか。喫煙することにより、口腔内の環境だけでなく、腸内環境も悪くなってしまうとは驚きです。
喫煙が必ず悪影響を及ぼすわけではありません。私の知り合いでも、ヘビースモーカーなのに健康で長生きしている人もいます。
ただ、このようなデータがあるということを知っているだけでも良いのではないかと思います。
以上、喫煙と腸内環境の関係についての話でした。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。