福岡天神内視鏡クリニックブログ

これ食べ過ぎると腸漏れしますので要注意!その1

おはようございます。医師の秋山です。

 

さて、今回は「腸漏れ」について話をしたいと思います。

 

「腸漏れ」とは、腸管上皮細胞の間が緩くなってしまうことです。

 

腸内環境が悪くなり、いわゆる「腸漏れ」を起こしてしまうと、食べ物の消化吸収が悪くなったり、有害物質が腸から漏れて全身を巡り、様々な症状を引き起こすと言われています。怖いですよね。

ただ、自分が「腸漏れ」を起こしているかどうかを検査で調べるということはなかなか難しく、私たちができることは「腸漏れ」を起こさないように予防をしていくことだと思います。

 

そこで今回、「腸漏れ」を起こしやすい食べ物を4つ紹介したいと思います。今回は4つのうちの2つを紹介します。

 

これから解説する食べ物は、普段の生活で意識すれば避けることができるものと、避けることが難しいものがあります。

ですので、「絶対食べちゃダメ」という考えではなく、「食べすぎないようにしなきゃ」というような意識を持てれば十分です!

それでは張り切っていきましょう!

 

「腸漏れ」を起こしやすい食べ物

①小麦

これは普段の食生活で避けるのはなかなか難しい食べ物ですね。私も「粉もん」は好きで、ラーメン、パスタ、ピザ、たこ焼き、お好み焼きなど、美味しいものばかりです。

ただ、このような小麦を含む食べ物を毎日食べてると、「腸漏れ」しやすくなってきます。

 

それでは小麦による腸漏れの原因はなんでしょうか?

答えは、小麦に含まれる「グルテン」というタンパク質の影響です。

 

小麦粉に水を加えて練っていくと粘り気が出てきませんか?これが「グルテン」の正体です。

ちなみにグルテンの語源は、ラテン語で「のり」を意味する「glue」からきてます。

この「グルテン」の厄介なところは、「のりみたいに腸にベタベタくっついて消化されにくいため、腸内に留まってしまう」ところなんです。

腸に溜まった「グルテン」が腸管の細胞と結合すると、細胞から「ゾヌリン」というタンパク質が分泌されます。これが細胞と細胞の間を緩くしてしまい、「腸漏れ」の原因となってしまうんです。

 

また、「グルテン」には、麻薬と同じような効果が確認されています。つまり、小麦を食べると、ドーパミンが放出され、脳が興奮作用を起こし

「もっと食べさせてくれ!」

といった中毒作用が出てきますので要注意です。

 

②乳製品

うーん、これも好きな人は多いのではないでしょうか。特にヨーグルトやチーズなどは嗜好品としても人気です。ですので、食べすぎないように意識すると良いのではないかと思います。

実は牛乳を代表とした乳製品も「腸漏れ」の原因になると言われています。

「腸漏れ」を起こす原因は、牛乳に含まれる「カゼイン」が原因です。

 

「カゼイン」は牛乳の成分の約80%を占めるたんぱく質のことです。牛乳のカゼインはα型カゼインですが、これは人体ではほとんど消化されないと言われています。

(ちなみに母乳はβ型カゼインであり、これは人体で消化できます。)

 

未消化のカゼインは、腸内まで運ばれると炎症性サイトカインを誘発し、腸内で炎症を起こします。これが便秘や下痢などの便通異常の原因となると言われています。

そしてこの炎症により、腸管上皮細胞と細胞の間が緩くなってしまいます。これにより「腸漏れ」が起こってしまうんですね。

 

また、未消化のカゼインからは、モルヒネと似たような物質が生成されますので、これも「グルテン」の時と同じように、

「もっと食べさせてくれ!」

といった中毒作用が出てきますので要注意です。

 

いかがでしょうか。どちらも普段の食生活に欠かせないものですが、食べ過ぎないように気をつけていれば大丈夫です。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。