福岡天神内視鏡クリニックブログ

「1日1万歩歩きましょう!」は本当なのか?

おはようございます。医師の秋山です。

 

さて、今回はウォーキングについての最新の知見について解説したいと思います。

 

皆さんも一度は「1日1万歩を目標に歩きましょう!」と聞いたことがあるのではないかと思います。

1日1万歩って結構きついですよね。なかなか達成できるものではありません。

そもそも本当に1日1万歩も歩く必要があるのでしょうか?

この答えについて、最近発表された論文報告が面白かったので紹介したいと思います。

 

2025年7月に発表された最新の論文報告です。

Ding Ding, et al,” Daily steps and health outcomes in adults: a systematic review and dose-response meta-analysis” Lancet Public Health,  2025 Aug;10(8):e668-e681.

 

オーストラリア・シドニー大学を中心とし研究グループが、2014年1月~2025年2月の10年間に発表された57件の研究論文を集めて結果を解析し、1日の歩数と健康の関係について発表しました。

結果ですが、全死亡率、心血管疾患死亡率、認知症などについて、1日2,000歩程度でこれらのリスクが少しずつ低下し始めて、5,000歩〜7,000歩あたりが一番効率良くリスク低下が見られるとのことです。

 

具体的に、1日2,000歩と1日7,000歩を比較すると以下のようにリスク低下が認められています。

  リスク低減率
全死亡率 約47%
心血管疾患発症 約25%
心血管死亡 約47%
がん死亡 約37%
2型糖尿病発症 約14%
認知症 約38%
うつ症状 約22%
転倒のリスク 約28%

となっています。

1日7,000歩を超えると、リスク低減の度合いが緩やかになるとのことですので、1日7,000歩を目標にして歩くのが一番効率が良いと思います。

 

また、今回の論文では、歩行スピードや強度(早歩きなど)、歩行の持続時間に関する明確な条件はありませんでした。

つまり、あくまで歩数と健康の関係を評価対象としており、早歩きをしなくても、連続で7,000歩歩かなくても良くて、とにかく1日の合計で歩けば良いということになります。

 

私は毎日自宅からクリニックまで徒歩通勤していますが、往復で合算するとだいたい6,000~7,000歩くらいです。

ですので、これくらいがちょうど良いのかもしれませんね。

 

皆さんもぜひ1日7,000歩を目指して歩きましょう。

 

現在福岡院は夏休み中です。8月17日から診療再開ですのでよろしくお願いします。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。