おはようございます。医師の秋山です。
さて、私の2022年のブログで、九州大学が別府温泉と共同研究をしていることを紹介しました。
温泉に入ると、腸内環境にどのような影響を及ぼすのか?というテーマで始められた研究です。別府と言えば日本でも有数の温泉地ですよね。私の好きな温泉地の1つです。

そして、2024年に九州大学が共同研究の結果を論文にまとめていましたので、その結果をここで解説していきたいと思います。
Takeda M,et al,” Effects of bathing in different hot spring types on Japanese gut microbiota”Sci Rep.2024 Jan 28;14(1):2316. doi: 10.1038/s41598-024-52895-7.
九州在住の136名(男性80名、女性56名)、18歳以上65歳以下で基礎疾患を持たない健康な人が対象となってます。
対象者は、別府温泉の4つの異なる泉質(単純泉、塩化物泉、炭酸水素塩泉、硫黄泉)に分かれ、7日間連続で、毎日20分以上入浴しました。
便を入浴前、入浴後に採取し、腸内細菌叢を解析しています。
結果を簡単に説明すると、3種類の泉質でそれぞれ異なる腸内細菌が増えていました。
それぞれ泉質別に有意に増えた菌が以下です。
単純泉→Parabacteroides(腸のバリア機能を高める)、Oscillibacter(コレステロール低下作用、心血管系リスク低下作用)
炭酸水素塩泉→Bifidobacterium bifidum(ビフィズス菌)、Oscillibacter(コレステロール低下作用、心血管系リスク低下作用)、Ruminococcus(酪酸菌)
硫黄泉→Alistipes(睡眠の質を増加させる)
この中でも特に、炭酸水素塩泉のビフィズス菌が、一番増加率が高かったということでした。
これは面白いです。1週間という短い期間温泉に入るだけでも様々な腸内細菌が増えるんですね。
ただし、なぜ温泉で腸内細菌が増えるのかはまだ不明であり、仮説では、温泉に入ることにより、泉質が皮膚に作用して間接的に腸内環境が変わったのではないかということでした。
その他、温泉にはリラックス効果もありますのでその辺りも関係してそうですね。
また、決して温泉の泉質が直接腸内に入って作用したわけではないとのことです。
結果から考察すると、特に炭酸水素塩泉は腸内環境には一番効果がありそうですね。
ちなみに炭酸水素塩泉といえば、美肌の湯として有名です。
この泉質がある温泉地で有名どころといえば
九州であれば別府温泉の他に大分の長湯温泉、佐賀の嬉野温泉が有名です。
その他全国では、兵庫県の有馬温泉、岐阜県の下呂温泉、北海道の登別温泉などがあります。
他にもたくさんあると思います。
もちろん、この腸内細菌叢の変化により、どれだけ我々の健康に寄与するのかはこれからの研究により分かってくるのではないかと思います。
いかがだったでしょうか。
皆さんも温泉に入って腸内環境を良くしましょう!
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。