おはようございます。
今回は逆流性食道炎シリーズの第6回です。
ときどき、診察中に「食後にしゃっくりが必ず出るのですが原因は何でしょうか?」という質問を受けます。
しゃっくりは医学的には「吃逆(きつぎゃく)」と言います。
胸部と腹部を仕切っている横隔膜が突然収縮(けいれん)すると同時に声帯が閉鎖し狭くなるため、息の通る管が狭くなり、「ヒクッ」という音がでる現象で自分の意思とは関係なく発生する反射運動です。
一言で説明するとしゃっくりは横隔膜のけいれんが原因です。
この反射には喉の筋肉を動かし、喉・扁桃・舌からの情報を脳に伝える舌咽神経が関係しています。
舌咽神経とは喉、舌の後ろ3分の1から耳にかけての感覚を担っている脳神経の一つです。
この舌咽神経に刺激が加わると延髄にある吃逆中枢を介してしゃっくりが起こると考えられています。
一般的にしゃっくりは、食べ過ぎたとき、アルコールや炭酸飲料を摂取したとき、早食いしたとき、熱いものや辛いものを食べたときなどに起こり、通常は数分で治まります。
しかし、ときには数分以上継続することもあり、2日以上持続する場合を持続性吃逆、1ヶ月以上持続する場合を難治性吃逆と言います。
実は以外かもしれませんが、逆流性食道炎も原因となります。
逆流性食道炎により胃酸がのどまで逆流すると、舌咽神経を刺激し、横隔膜のけいれんを誘発して、しゃっくりを引き起こします。
逆流性食道炎がしゃっくりを伴いやすいのはこのためです。
逆流性食道炎の治療をしても、改善しない持続性吃逆や難治性吃逆の場合は、脳梗塞や脳出血、頸部腫瘍、肺がんなどの重大な病気が隠れている可能性があります。
たかが、しゃっくりと様子を見ないで長く続く場合は必ず病院を受診しましょう。
お悩みの場合は、是非一度ご相談ください。