福岡天神内視鏡クリニックブログ

AST、ALTこれだけ覚えよう!

おはようございます。医師の秋山です。

さて、今回はヨーグルト食べ比べをお休みして、AST、ALTの話をします。

この値って検診で必ず測定しますよね。皆さんの認識としては、おそらく「肝臓の数値かな」という感じだと思います。

 

全くその通りですが、もう少し知識を掘り下げてみましょう。今回、AST、ALTについて覚えておいてほしいところに番号を付けてます。読むのが億劫な方は、番号のところだけ読んで覚えてください。そして周りにAST、ALTが高い人がいたら、サラリと教えてあげましょう。

 

それでは説明していきます。まずは正式名称と働きからです。

AST:正式名称はアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ

ALT:正式名称はアラニンアミノトランスフェラーゼ

働き:どちらも人体でアミノ酸を作る働きをしています。

→長いので全然覚えなくていいです。私もよく覚えてません。

 

これらの酵素は①肝細胞中に主に存在しており、肝細胞が壊れるとこれらの酵素が血液中に吐き出され、数値が上昇します。

つまり、②これらの数値が高いということは、肝細胞が壊れていることを意味します。

注意してほしいのは、③これらの数値が高いから肝機能が低下しているわけではなく、肝細胞が壊れて肝臓がダメージを受けているだけと考えてください。別にこれらが高いからと言って肝臓の機能は落ちてません。

 

ですので、④検診でAST、ALTが高い人は、何かが原因で肝細胞がたくさん壊れていると考えます。

 

肝細胞は再生しますので、短期間の数値上昇であれば肝臓の機能自体には問題ありませんが、⑤何年も持続して高値が続くと肝細胞が破壊を再生を沢山繰り返し、そのうち肝臓が硬くなります10年で慢性肝炎、20年で肝硬変と覚えましょう。そうなると肝機能は低下していきます。

さて、このASTとALTの違いってなんでしょうか?
一番の違いは、それぞれが存在する臓器です。実はASTは肝臓だけでなく、心筋細胞や骨格筋細胞、赤血球などにも存在しています。対して⑥ALTはほとんどが肝臓に存在しています。つまり、ALTの方が肝臓の状態を反映しています。ですので、我々医師は、肝数値に注目する時はASTよりもALTに重きを置きます。肝臓学会での発表でも、肝数値の指標として、ALT値の変化をグラフ化して発表されています。

⑦AST>ALTの場合は肝臓以外の病気(心筋梗塞、筋肉の病気、血液の病気)がないか考えます。

⑧AST、ALTともに高い、あるいはAST<ALTの場合は肝疾患をまず考えます。

⑨例外として、お酒の飲み過ぎによるアルコール性肝障害の場合はAST>ALTが多いです。これはアルコールがALTの合成を阻害するからと言われています。

⑩検診でAST、ALTの高値を指摘される人のほとんどは脂肪肝やアルコール性肝障害と考えて間違いないです。しかしながら中にはウイルス性肝炎や、肝腫瘍などの病気の方もいます。特に福岡県は自分では自覚していないウイルス性肝炎の人が多いので注意が必要です。

いかがでしょうか。①〜⑩までを覚えれば完璧です。「いやいや10個も覚えられないよ」という方は、⑥〜⑩だけ覚えてください。

以上、AST、ALTの話でした。

 

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それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

 

秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。