おはようございます。医師の秋山です。
さて、今回は「ヒトの免疫」について話をしたいと思います。
私は大学院時代に「ヒトの免疫」を極めようと、日中は働き、夕方から夜中まで実験に没頭していました。
今考えると過酷な環境でしたが、おかげで心身ともにタフになれたと思ってます。
閑話休題、「ヒトの免疫」ってマイナーな内容ですが、理解すると面白いんですよね。
この面白さを伝えたいと思い、ここで皆さんに「ヒトの免疫」について、わかりやすく解説したいと思います。長文ですが、読み終わったら「免疫博士」になってますよ。
それでは張り切って解説します!
ヒトは体内に敵が侵入してきた時、2つの免疫力で敵を攻撃します。
それは「自然免疫」と「獲得免疫」です。
「自然免疫」
敵を発見したら、とりあえずまずはこれが発動します。ここでの主役は「好中球」「マクロファージ」「NK細胞」「樹状細胞」です。
好中球:言わずと知れた自然免疫の切込隊長。真っ先に敵に向かい、敵を食べて攻撃します。
マクロファージ:好中球に負けず劣らず敵を食べまくります。食いしん坊なのか、戦って死にかけている好中球まで食べてしまいます。
NK細胞:敵が好中球やマクロファージから逃れ、体内の細胞に感染して悪さをしようとしたらこいつが立ちはだかります。強力な力を持っているのですが、NK細胞は、感染した細胞ごと敵をやっつけてしまいます。
樹状細胞:こいつも敵を食べるのですが、食べながら敵の情報をしれっと細かく分析します。いわゆる情報屋です。
このように、敵との戦いは、この「自然免疫」で大体はカタがついてしまいます。
「獲得免疫」
自然免疫でもなかなか敵を倒すことができず、長期戦となった場合、この「獲得免疫」が登場します。
ここでの主役は、リンパ球の仲間である「T細胞」と「B細胞」です。
自然免疫で敵と戦い、長期戦となっている間に、「樹状細胞」が細かく分析した敵の情報を、まずはT細胞の仲間である「ヘルパーT細胞」に伝えます。
ヘルパーT細胞:「獲得免疫」の総司令官。敵の情報を「キラーT細胞」と「B細胞」に伝え、攻撃するように指示を出します。
キラーT細胞:敵が感染した細胞を手当たり次第に見つけ、感染した細胞ごとやっつけます。めちゃくちゃ強いです。強すぎて暴走することがあります。
制御性T細胞:暴走したT細胞を制御する役割があります。
B細胞:敵の情報を元に、その敵だけに効果のある飛び道具(抗体)を作り、それで攻撃します。この飛び道具である「抗体」により、敵を効果的に攻撃して倒すことができるのです。
いかがでしたか?これだけ知っていれば「免疫博士」です。周りに自慢できるレベルです。
ちなみに乳酸菌はこのうち、「自然免疫」を活性化します。どうやって乳酸菌が自然免疫を活性化できるのか?
こちらはまた次回解説したいと思います。
以上、免疫の話でした。
お気に入りのお店である「レストラン逹」のハンバーグです。このお店のレトロな雰囲気が大好きです。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。