福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘を考察する その7 便秘と水分不足・気温の関係

おはようございます。

前回は便秘が悪化する理由として、「食生活の乱れ」についてお話ししました。

それ以外にも便秘の原因となり得る些細な日常の生活習慣の積み重ねがあります。

今回は便秘を悪化させる生活習慣のうち、気温と水分不足についてお話ししたいとと思います。

 

 

●便秘が悪化する理由:気温と水分不足

便秘は冬と夏に悪化する傾向があります

冬は、気温の低下により身体が冷え手足の血管が収縮し、交感神経が優位に働くようになり、腸の動きが悪くなるため、便秘が悪化しやすくなります。

 

(注釈:私たちの身体は、自律神経である交感神経と副交感神経で調節されています。分かりやすくイメージすると交感神経は興奮時や戦闘状態時に優位に働く神経で、副交感神経はリラックスした状態の時に優位に働く神経です。交感神経が優位に働くと腸の動きは悪くなります。喧嘩している時は、トイレなんかに行っている場合じゃないと考えると分かりやすいでしょうか?(笑))

 

さらに、身体が冷えると血行が悪くなるため、腸の血流も悪化し、その結果、腸の動きも悪化します。また、寒い時期は、水分摂取量が低下するため、大腸に運ばれる水分量が低下します。便に含まれる水分量が低下すると、便が硬くなり、便秘の原因となってしまいます。

 

 

便秘が夏に悪化する一番の原因は、体内の水分不足です。

便に含まれる水分量が70~80%程度無いと、便は硬くなり、スッキリとした排便がしづらくなります。

1日に必要な水分量は、理想的には「体重(kg)×0.04(L)」必要と言われています

体重50kgの場合、50×0.04で1日に2(L)の水分が必要となります。

汗などで水分が失われた場合は、さらにその分を追加して補ってあげる必要があります

 

夏はエアコンも要注意です。

エアコンにより手足が過度に冷えると、末梢神経が刺激され、交感神経が緊張状態となるため、腸の動きが悪化し、便秘の原因となります

また、外気温との温度差が大きくなると交感神経が優位に働くようになってしまうため、さらに腸の動きが悪化する原因となります

 

 

これから、夏に向けてドンドンと暑くなってきます。

しっかりと水分を摂取して、職場や家庭の空調の温度管理に気を付けて、便秘に負けない身体作りをしていきましょう!!

お悩みの方は、是非一度、ご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。