おはようございます。
実は腸の動きや便通には、自律神経の働きが非常に大きく関わっていると考えられています。
実際に、非常にストレスがある、疲れが溜まっている、不安や緊張状態が続くといった自律神経の不調を来すシチュエーションが続くと、腸の働きが悪くなり、便秘を起こしやすくなります。
ストレスにより便秘を来すと、便秘があることがストレスとなり、更に便秘が悪化するといった負の連鎖が続くことになります。
自律神経には、自動車でいうとアクセルの役割をする交感神経(興奮状態のときに働く神経)とブレーキの役割をする副交感神経(リラックス状態のときに働く神経)があり、腸の蠕動運動や排便機能は、リラックス状態の時に働く副交感神経がその働きを調節しています。
汚い例えですが、喧嘩しているときは、ウンチなんてしている場合じゃない、といったイメージです。
ストレスが続くと、交感神経が優位となるため、心も体も緊張し、便秘になりやすくなります。
このストレスよる体の反応は、自律神経によって自動的に起こる反応のため、残念ながら自分ではコントロールすることは出来ませんが、ストレスに対して上手に対処できるようになるとこの体の反応を弱めることが可能です。
このストレス対処法の1つとして、自己暗示による一種のリラクセーションである自律訓練法が有効です。
具体的なやり方は以下の通りです。
1.自律訓練法を行うための下準備
気持ちが落ち着く静かな場所で行う。体を締め付ける服やベルトをとり、その他の気が散る原因になるものを取り除いて、心も体もリラックス出来る状態にします。
2.自律訓練法を行う姿勢をつくる
自律訓練法を行う姿勢は、イスに座って行ってもOK。
仰向けに寝て行ってもOK。
<イスに座って行う場合>
イスに深く腰掛け、背もたれに背中を軽くつけ、手を膝に乗せます。
もたれすぎたり、腰をそらしたりしないように注意しましょう。
足の裏を床につけて、肩幅ぐらいに開きましょう。
<仰向けに寝て行う場合>
仰向けになって腰の力を抜き、出来るだけ背中が床につくようにしましょう。
足は肩幅ぐらいに開き、手は脇を少し空けて床につくように体の横に置きます。
手のひらは上向きでも下向きでもOKです。
3.ゆっくり呼吸をしながら気持ちを落ち着かせる
目を閉じてゆっくりと深い呼吸を繰り返す。
ゆったりとしてきたら、心の中で「気持ちが落ち着いてきている」と数回唱える。
4.手足に意識を向け、重さを感じる
右手に意識を向け、「右手が重たい」と心の中で唱え、重くなるのを待つ。
続いて「左手が重たい」「右足が重たい」「左足が重たい」と順に唱えて、それぞれが重くなれば次に進む。
この時に、手足に力を入れて重くしないように注意しましょう。
十分にリラックス出来れば、自然と「手足が重たい」と感じられるようになります。
5.手足の暖かさを感じる
4と同様に「右手が温かい」「左手が温かい」「右足が温かい」「左足が温かい」と順に唱える。
十分にリラックス出来れば、自然と「手足が温かい」と感じられるようになります。
6.心臓、呼吸、おなか、額に同様に意識を集中させる
4、5と同様に「心臓が静かに動いている」「呼吸が楽になっている」「お腹が温かい」「額が涼しい」とそれぞれの場所に意識を集中させながら、順番に唱えていく。
慣れてくると深いリラックス効果が得られるようになります。
7.消去動作を行う
自律訓練法でリラックスした後に、急に立ち上がると迷走神経反射を起こしてふらつきや気分不良が出現することがあります。
これを防ぐために必ず消去動作を行い、リセットしましょう。
両手を開いたり閉じたりを繰り返したり、腕の曲げ伸ばしやのびをする、深呼吸をするとリセット出来ます。
ただし、睡眠前に自律訓練法を行う場合は、消去動作を行わないでそのまま入眠してもOKです。
慣れないうちは、なかなか上手く唱えたようにイメージしづらいですが、何度も繰り返していくと心拍数や血圧が下がり、呼吸が穏やかになるなど、緊張がほぐれていく感じを実感できるようになります。
1日1回継続すると有効です。
是非、試してみてください。