おはようございます。医師の秋山です。
先日、朝の通勤途中に、危うくネコの喧嘩に巻き込まれそうになりましたが、猫に気づかれないように足音を立てない競歩のような歩き方でスマートに逃げ切りました。
さて、今回はヒトの免疫力についておさらいしたいと思います。私は免疫の研究で医学博士を取得しましたが、この内容を知っていれば博士レベルと言っても過言ではありません。ぜひ覚えておいてください。
それでは張り切っていきましょう!
①ヒトの免疫細胞はどこで作られるのでしょうか?
→主に骨髄や胸腺で作られています。
②骨髄や胸腺で作られた免疫細胞はどこに分布されるのでしょうか?
→血液中やリンパ節、各種臓器などに広く分布されるのですが、免疫細胞の7割が腸に分布されています。具体的には、小腸に5割、大腸に2割の免疫細胞が分布されています。
③免疫には「自然免疫」と「獲得免疫」がある。
→体に細菌やウイルスなどの敵が入ってくると、まずは「自然免疫」が立ちはだかります。どんな敵なのかよく分からないが、とりあえず戦いに行こう!こんな感じが「自然免疫」です。
好中球やマクロファージ、樹状細胞などが自然免疫で活躍する免疫細胞です。これらの免疫細胞が敵を攻撃しながら、かつ敵の情報を入手します。
敵は、この自然免疫の段階で大体やられてしまいます。
自然免疫で敵が全滅しない場合、獲得免疫の登場です。
マクロファージや樹状細胞が、敵と戦いながら入手した敵の情報を、ヘルパーT細胞に伝えます。
ヘルパーT細胞は、この情報をキラーT細胞とB細胞に伝達して、このキラーT細胞とB細胞が敵を攻撃します。
キラーT細胞もB細胞も、シャレにならないくらい強いです。
④免疫力が下がる原因ってなんでしょうか?
A.加齢に伴う免疫力低下
→これは誰しも起こりえます。諸行無常です。
B.食生活の乱れ
→偏食の方、栄養不足の方は免疫力が低下してきます。そうならないためには免疫細胞の材料になるタンパク質と、腸内細菌を活性化させる食物繊維をしっかりと摂ることです。
C.寝不足などの不規則な生活
→寝不足が続くと、就寝中に出る成長ホルモンの分泌が少なくなります。成長ホルモンは、1日の生活で傷ついた細胞を修復してくれる作用がありますが、寝不足で成長ホルモンの分泌が少なくなると、傷ついた細胞の修復がされず、だんだんと免疫力が低下してきます。
D.ストレス
→自律神経が乱れると、口腔内や皮膚にある粘膜免疫の要であるIgA抗体が少なくなってきます。これにより免疫力が低下してきます。
E.過度な運動のしすぎ
→適度な運動は良いのですが、過度に運動をしすぎると、体がストレスを感じて免疫力が低下してきますので注意が必要です。
F.体温低下
→免疫細胞は体温が高いと活性化されるので、体温が下がると免疫力が下がってきます。体温が1℃下がると、免疫力が30%低下します。これは、約1,000~1,500個ものがん細胞を見落とす計算になります。
⑤免疫力を上げる方法
上記のように、免疫力が下がってしまう原因は沢山あります。
免疫力を上げる方法としては、普段の生活から以下のことを意識して過ごせば大丈夫です。
免疫細胞の7割が腸に集まっていますので、最後の2項目は特に意識して過ごしましょう。
お腹を冷やさないように、お腹のマッサージをしたり、腹巻きをしたり、お風呂にゆっくりつかったりして過ごしましょう。
また、整腸剤などで乳酸菌を摂ることもお勧めします。乳酸菌は、小腸に集まっている免疫細胞を活性化してくれます。乳酸菌を毎日摂り、免疫細胞を常に活性化しておきましょう。
以上、ヒトの免疫のおさらいでした。
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それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。