おはようございます。医師の秋山です。
毎日内視鏡検査をしていると、50歳未満の「胃がん」や「大腸がん」が増えていると感じます。
おそらく、乱れた食生活と運動不足が影響しているのではないかと思います。
このような若い世代のがんの増加は、世界的にも問題になっているようです。
それでは、50歳未満の方にどのような種類のがんが増加しているのでしょうか?
論文結果をもとに解説していきたいと思います。
2010年から2019年までの10年間の米国でのデータ解析の結果を箇条書きします。
(JAMA network open. 2023 Aug 01;6(8))
①この10年間、50歳未満で発症したがんの罹患率は増加していたが、50歳以上で発症したがんの罹患率は減少していた。
②50歳未満で発症したがんの罹患率が最も増加していたのは「消化器がん」であり、「泌尿器系がん」「女性生殖器系がん」と続いた。
③「消化器がん」のうち、罹患率が最も増加していたのが「虫垂がん」「肝内胆管がん」「膵臓がん」であった。
いかがでしょうか?
50歳未満のがんが世界的に増加しているのですが、その中でも「消化器がん」が著明に増加しているというデータです。
しかも「消化器がん」のうち、特に増加が著しいのが「虫垂がん」「肝内胆管がん」「膵臓がん」です。
ちなみにこの3つのがんですが、どれも「腹部エコー検査」や「腹部CT検査」で発見することが可能です。
「腹部CT検査」は気軽にできる検査ではありませんので、スクリーニング検査としては利用するのは困難です。放射線による被曝も気になります。
そう考えるとやはり、「腹部エコー検査」がベストな検査です。全く痛みを感じない検査で10分程度で終了し、3割負担で2,000円前後で検査を受けることが可能です。スクリーニング検査としては最適な検査と言えます。
当院でも腹部エコー検査を導入し、経験豊富な検査技師が毎日腹部エコー検査を行なっております。
今まであまり腹部エコー検査を受けたことがない方はぜひ内視鏡検査とともに腹部エコー検査も受けると良いのではないかと思います。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。