福岡天神内視鏡クリニックブログ

粘膜下腫瘍とは

みなさんこんにちは。

萱嶋です。

 

最近、少し寒くなってきました。

イスラエルは、より大変な情勢になっています。

民族や宗教を超えて、人がわかり合えることはできるのでしょうか。

イデオロギーに違いにより、完全に理解することは難しいかもしれません。

わかり合うことより、認め合うことに思考を変えていけばよいのかもしれません。

難しいですが、自分より他人を尊重する人間になりたいです。

 

さて、皆さんは「粘膜下腫瘍」という言葉を聞いたことがありますか。

あまりなじみのない疾患かもしれませんが、

そう診断されたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

 

 

「粘膜下腫瘍」は、

粘膜(胃や大腸の壁の表面)の下に腫瘍(病的な細胞が増殖したもの)が存在している状態です。

正常な粘膜に覆われているので、正常粘膜が盛り上がっているように見える病変です。

 

症状

ほとんどの場合は無症状です。

多くの場合、胃カメラなどで偶然に見つかります。

腫瘍が表面に露呈している場合は、そこから出血することがあります。

 

種類

粘膜下腫瘍は様々な種類の細胞が粘膜の下で腫瘍化したものを総称した診断名です。

治療不要な良性病変から、治療をしないと命に関わる悪性病変まで多様です。

病名は、GIST、平滑筋腫、異所性膵、神経鞘腫、グロームス腫瘍、脂肪腫、血管腫、嚢胞などがあります。

粘膜下腫瘍に似た形を呈する「がん」もありますが、それを正確には粘膜下腫瘍とは呼びません。

粘膜下腫瘍様形態を呈した「がん」と表現します。

よって、粘膜下腫瘍が将来「がん」となることはありません。

 

診断

内視鏡の先端に超音波装置のついている超音波内視鏡を用いると、粘膜下腫瘍を断面図で見ることができます。また、超音波装置を内視鏡に装着し、検査することもあります。

腫瘍が顔を出している場合は、通常の内視鏡で組織検査することが可能です。

CT検査やMRI検査でも内部の性状や腫瘍の拡がりを調べることができます。

様々な検査を組み合わせて総合的に診断します。

 

治療

治療の必要のないものから、手術切除や化学療法が必要なものまであります。

多くは、経過観察が可能ですが、急速に増大するものや20mm以上で悪性と診断された場合、50mmを超えるものなどは、治療対象とされています。

 

「粘膜下腫瘍」について、お話ししました。

「粘膜下腫瘍」と診断されても慌てず、専門の医師に相談しましょう。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。