おはようございます。医師の秋山です。
さて、今回は体内の細胞のターンオーバーについて話をしたいと思います。
私たちの体は、色々な種類の細胞がギュッと集まってできています。
具体的に言うと、私たちの体を作っている細胞の種類は約270種類ほどで、これらが合計約60兆個ほど集まって私たちの体を作っているんです。
そしてこれらの細胞は、私たちが摂取する栄養分、特にタンパク質を使って絶えず作り替えられています。これをターンオーバーと呼んでいます。
なんならまだ作り替えられたばかりの細胞で特に傷んでもないのに、すぐに新しい細胞に作り替えられている細胞も多々あるんです。
つまり、タンパク質をきちんと摂らないと、細胞がターンオーバーできずに、どんどん老化が早まってしまい、健康寿命も短くなっていしまいます。
そんな体内のターンオーバーですが、臓器により作り替えられる日数が違います。
一番ターンオーバーが速いのはどの臓器かご存知でしょうか?
それは、私の専門である腸管です。
正確に言うと、胃、小腸の粘膜は3日でターンオーバーが終了して完全に新しく入れ替わります。
大腸の粘膜は10日でターンオーバーが終了して完全に新しく入れ替わります。
ちなみに他の臓器のターンオーバーにかかる日数ですが、
皮膚;1ヶ月
肝臓:1ヶ月
腎臓:1ヶ月
筋肉:2ヶ月
血液:4ヶ月
骨:5ヶ月
です。
これらから考えても、胃腸の粘膜がいかに速いスピードで入れ替わっているかが分かりますね。
それでは、なぜ胃腸の細胞はこんな速いスピードで細胞が入れ替わるんでしょうか?
それは、
・食べ物を消化吸収するという生きていく上で最も重要な働きがあること。
・胃酸や腸液が存在しているという過酷な環境に常に晒されており、細胞がすぐに傷みやすいこと。
・外の環境にもさらされているため、常にウイルスや細菌などの感染のリスクがあること。
が理由となってます。
タンパク質は非常にデリケートです。酸化したり、変性したりすると、すぐに機能不全になってしまいます。
このような要因があるから、次々と新しい細胞に入れ替える必要があるんですね。
つまり、私たちの長生きの鍵は「腸」が握っていると考えられます。
毎日しっかりとタンパク質を摂りたいですね。
以上、ターンオーバーの話でした。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。