福岡天神内視鏡クリニックブログ

サウナの効能

こんにちは、医師の中島です。

GW半ばですね、皆さまいかがお過ごしでしょうか?

前回はサウナの注意点と効用についてお話しましたが、今回は効能について詳説していきたいと思います。

まず、サウナの一番の効能は脳疲労の解消です。

その理由は脳への血流が「減る」から。サウナに入ると皮膚の血流は増えますが、実は脳血流は逆に減っているのです。

そもそも、脳はなぜ疲れるのでしょうか?

それに関わるのが脳内回路の一つであるDMN(デフォルト・モード・ネットワーク)、ぼ〜っとしているときに活性化してしまう脳の領域で、脳のエネルギーの多くを消費します。休日に家でずっと配信サービスなどの動画をぼんやり見ていると、一日の終わりになって、ゆっくり休んだはずなのにかえって体が重く、疲れた、、そんな経験を持つ人は少なくないでしょう。これは、本当に脳が疲れているから。何かに集中していないときはDMNが機能して同時にいろいろなことを考えてしまい、脳が疲労するのです。

一方、サウナでは脳血流が減ってDMNが強制的に遮断され、ごちゃごちゃと物事を考えられなくなり、脳の活動量が減ることで疲れが取れるというわけです。

もう一つ、サウナの中では基本的にやることがない、というのがポイントで、時計を見たり、自分の呼吸などに集中したり、いわゆるマインドフルネス(ただ目の前のものごとに集中している状態)の環境であると言えます。実は、マインドフルネスの反対語はマインドワンダリング(色々なことをごちゃごちゃ考えている状態)、まさにDMNが機能している状態です。サウナは何かに集中することで、余計なことをごちゃごちゃ考えさせなくするのに適した環境というわけです。

そして、一時的に脳がスッキリすることで睡眠の質がよくなり、脳疲労の原因物質であるアデノシンを一掃することで脳疲労が解消されるというわけです。

たかがサウナ、されどサウナ、気持ちいいリフレッシュ感だけでなく、脳の疲労や、実は精神疾患、自律神経などにも影響を及ぼすんです。

次回はそれらについて触れていきたいと思います。

 

参考文献

Patrick, R.P., & Johnson, T.L. (2021). “Sauna use as a lifestyle practice to extend healthspan.” Experimental Gerontology, 111509. DOI: 10.1016/j.exger.2021.111509

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