福岡天神内視鏡クリニックブログ

その物忘れ、脳ではなく腸が原因かも!?

おはようございます。医師の秋山です。

 

最近、物忘れがひどくなってきたと感じている人いませんか?

物忘れは若い人にも起こりますが、年齢とともにその頻度は増えてきます。

これは、加齢とともに脳細胞が変性したり、萎縮したり、脳内に「ゴミ」のようなたんぱく質が溜まったりすることで物忘れがひどくなってくると言われているんですね。

つまり、原因は「脳」にある、というわけです。もちろん、これは十分に納得できます。

 

しかしながら、「脳」以外にも原因はないのでしょうか?

実は、最近の論文報告から面白い結果が出ていました。

Cox TO,et al,” Intestinal interoceptive dysfunction drives age-associated cognitive decline” Nature. 2026 Mar 11. doi: 10.1038/s41586-026-10191-6. Online ahead of print.

 

この論文はマウスを用いた研究報告です。

生後1~2ヶ月の若いマウスと、生後18ヶ月の老けたマウスを同じ空間で1ヶ月間、同居させました。

その後、若いマウスの記憶力のテストをすると、老けたマウスと同レベルの記憶力まで低下していたということでした。

 

つまり、1ヶ月間同じ空間に一緒に住んでいるだけで認知機能が低下したということでした。

「え、一緒に住んでいるだけでなんでそうなるの?」

と思いますよね。結構なインパクトです。

認知機能が空気感染でもしたのでしょうか?それはまずありえないです。

 

実は、老けたマウスの腸内細菌が、若いマウスの腸に移ってしまったからなんです。

マウスはお互いのフンを食べるんですね。これにより容易に老けたマウスの腸内細菌が若いマウスの腸内細菌に移ってしまったんです。

 

でも本当に腸内細菌が原因なのでしょうか?

この事実を証明するために以下も試してました。

①環境的ストレスが原因ではないか?を調べるために、同じ空間で、無菌同士の若いマウスと老けたマウスを同居させた

→若いマウスの認知機能の低下は認めなかった

 

②老けたマウスの腸内細菌を、若いマウスに移植させた

→移植した若いマウスは認知機能が低下した

 

③老けたマウスに抗生物質を投与し、腸内細菌を殺菌した

→若いマウスと同じレベルまで認知機能が改善した

 

なるほど、これだけ実証されていたら、腸内細菌が認知機能低下の原因だと言われても納得ですよね。

それでは、なぜ腸内細菌によって認知機能が低下するのでしょうか?

 

ものすごく簡単にわかりやすく説明します。

 

腸内細菌の一部が、腸内で炎症を起こします。

この腸内で起こった炎症が、腸と脳の情報交換をするのに必要な「迷走神経」の機能を低下させてしまいます。

この「迷走神経」の機能が低下すると、脳内の記憶を司どる海馬の機能も低下するとのことです。

以上により、腸内細菌が原因で認知機能が低下するとのことでした。

 

もちろんこれはマウスの話ですから、当然ながらヒトにそのまま当てはまるというわけではありません。

当然ですが、認知症の人と同居したから自分も認知症になるということはありません。

 

ただ、腸内細菌と認知機能の関係についてはヒトにもある程度当てはまるのではないかと思います。

 

いかがだったでしょうか。

やはり、認知機能を保つには腸内環境を整えることが必要な気がしますね。

皆さん張り切って腸活を行いましょう!

 

福岡院は5月6日まで休診です。5月7日より診療開始ですのでよろしくお願いします。

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