こんにちは、医師の中島です。
朝夕ひんやりと感じ、次第に秋めいてきましたね。
そもそも、なぜ「食欲の秋」というのでしょうか。

新米や栗、いも類、きのこ、魚など、旬を迎える食材が多い季節でもありますが、身体的な側面からはいくつか理由がありそうです。
まず、気温が下がってくると、身体は体温を保つためにエネルギーを多く使います。
その不足分を補おうとして、エネルギー補給のため、脳が「もっと食べたい」と感じやすくなります。
また、日照時間が短くなる秋は、睡眠や食欲に関わるホルモン(セロトニンやレプチンなど)のバランスが変化し、空腹感が増しやすくなるそうです。
そのため、秋は食欲が増して食べ過ぎる(糖質の摂り過ぎ)→血糖値スパイク→内臓脂肪の蓄積→脳での慢性炎症、インスリン抵抗性の獲得→将来の認知症のリスクが上がってしまいます。
以前のブログでもお話させていただきましたが、インスリン抵抗性を獲得してしまう血糖値スパイクを抑え、食後の脳のパフォーマンスを上げ、将来の認知症リスクを下げるには、日々の食事の「食べ方」と「食べるもの」が重要です。
まず、注意してほしいのは早食いです。
急いで食べると、糖質が短時間で胃から腸へ大量に送り出されて急激に消化・吸収されます。それにより、糖が一気に血液中に流れ込み、血糖値が急激に眺ね上がります。これを防ぐために最も重要なのは、ゆっくり時間をかけて食べること。
「1食に最低でも20分以上」を目安にしましょう。
さらに、食べる「順番」を工夫することで、食後の血糖値の上昇を緩やかにすることができます。
おすすめしたいのが、日本の伝統的な「会席料理」の食べ方です。
温泉旅館などでの夕食をイメージしてください。
会席料理では、まず先付に始まり、お造りや椀物、焼き物(魚や肉)などが出てきて、最後にご飯とみそ汁が出てきますよね。あのイメージです。
先におかずを胃に入れておくことで、後から入ってくる糖質の吸収速度を物理的に遅らせることができます。例えば、肉や魚などのたんぱく質を先に食べると、小腸からインクレチンという、インスリンの分泌を促し、胃の動きをゆっくりにさせるホルモンが出ます。このため、少し消化がおそくなり、糖の吸収も穏やかになります。
食事をしていて、「満腹までもう少し食べたいな」「食後のデザート、締めのラーメンが食べたいな」と感じたことがある人も多いでしょう。
実は食べ物が胃に入ってから、血糖値が上がり、脳の満腹中枢が刺激されるまでには、約20分のタイムラグがあるといわれています。
つまり、食後すぐの「物足りなさ」は、まだ脳が「満腹」のシグナルを感知していない「偽りの空腹」である可能性が高いのです。
その点、会席料理はご飯が出てくる時点で20分以上は経過しているので、脳の満腹中枢が刺激されて満腹感を感じはじめているので、ご飯を食べ過ぎないで済むというわけです。
そこで実践してほしいのが「食後の20分ルール」です。食事を終えて「物足りない」と感じたら、20分間だけ、談笑でもしながら待ってみてください。
脳にしっかりと満腹シグナルが届くと、自然に「もう食べなくていい」と思えるようになります。
20分経っても食べたいと思うのであれば、それは本当に食べた量が不足しているサインなので、その時点で追加の食事を考えればいいですね。
いかがでしたか?
朝昼の食事は時間がとれない方が多いと思うので、ぜひ夕食で試してみてください。
週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。