こんにちは、医師の中島です。
以前のブログで、脳の老化を防ぐ生活習慣の一つとして睡眠をとり上げました。
認知症の原因物質である、脳内の老廃物(アミロイドβやレビー小体)をしっかり排出するため、最低でも5~6時間はぐっすり眠りましょうというものでした。
では、睡眠は「時間」だけが問題なのでしょうか?
そこで今回からは「睡眠」について深掘りしていきたいと思います。

厚生労働省のデータでは、ここ8年で日本人の平均睡眠時間は少しずつ長くなっている傾向にあり、特に65歳以上の高齢者では睡眠時間が顕著に増えています。その一方で、平均寿命は短くなっていることをご存じでしょうか。
実は、平均寿命低下の背景に、睡眠時間の長時間化が関係していると考えられています。
そもそも、日本人の平均睡眠時間は1970年代頃から急激に減少しました。その一方で、日本の平均寿命は戦後、延びてきました。この2つの事実だけでも、「睡眠時間が短いほうが長生きする」という傾向が見えてくるのではないでしょうか。
また、国際比較をすると明確になります。
OECD加盟国の先進14カ国の中で、平均睡眠時間が最も短いのが日本です。それにもかかわらず、平均寿命は14カ国の中でトップクラスです。
一方、アメリカは睡眠時間が長く、「8時間以上」の人が多いのですが、平均寿命は78歳を下回っており、14カ国の中では最下位となっています。
もちろん食生活や医療事情の違いはありますが、世界で最も睡眠時間が短い日本人が長生きし、睡眠時間の長いアメリカ人の寿命が短いーこの事実は偶然なのでしょうか。
年齢を重ねると誰でも、夜眠る力(睡眠力)は衰えていきます。「深く」眠ることができず、「浅〜い」睡眠になってしまいます。夜中に目が覚めてしまうことも多くなります。
この理由は、加齢に伴う自律神経の乱れ、運動不足、睡眠を促すホルモンであるメラトニン分泌量の低下などです。そのため、長時間の浅い睡眠は睡眠の質が低下しているサインであり、寿命を縮める可能性を示唆しているかもしれません。
いかがでしたか?
子供の頃から教わってきた、「健康のためには、1日8時間寝ましょう」。
この考え方は時代遅れかもしれません。
次回は長生きにつながる理想的な睡眠についてお話していきます。
週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。