おはようございます。医師の秋山です。
「子供の頃に盲腸を手術して取ったんだよね」という人って多いのではないでしょうか。
これは正確には「急性虫垂炎」と言います。
大腸の一部である盲腸という部位に、細長い袋状のものがぶら下がっているのですが、これが虫垂です。

この袋に、便が石みたいに硬くなってはまり込むと、虫垂がだんだんと腫れて炎症を起こしてきます。
そして右下腹部の激烈な痛みを認め、緊急で手術するケースがほとんどです。
ですので、正確には、盲腸を切除したのではなくて、虫垂を切除したことになります。
実は私も中学2年生の頃に急性虫垂炎で手術をした経験があります。
あの時の激烈な痛みは今も覚えています。
実はこの虫垂ですが、以前からその機能についてはよく分かっていないです。
手術をして切除しても日常生活に支障はなく、別になくても問題ない臓器ではないかと言われてきました。
現在は、虫垂は腸の免疫機能に関与しているというのが一般的な解釈です。
例えば、腸の中で免疫機能が暴走することによって発症する「潰瘍性大腸炎」は、虫垂切除後の方が発症しにくいと言われています。
そして最近では、虫垂は「腸内細菌の貯蔵庫」ではないかという説も出ています。
分かりやすく説明すると、下痢などの感染症や、抗生物質内服などによって腸内細菌が減った時に、虫垂から腸内細菌を供給しているのではないか?という説です。
ちょっと前に発表された論文です。
McGuinness AJ,et al,” Prior Appendicectomy and Gut Microbiota Re-Establishment in Adults after Bowel Preparation and Colonoscopy” Biomedicines. 2024 Aug 23;12(9):1938.
doi: 10.3390/biomedicines12091938.
もし虫垂が「腸内細菌の貯蔵庫」であれば、大腸内視鏡検査の時に腸内細菌が洗い流された後、虫垂がある方が、腸内細菌の回復が早いのではないか?という仮説のもとに研究されてます。
簡単に結論を説明すると、虫垂がない人の方が、検査後の腸内細菌叢の変化が強かったとのことです。ただし、大腸内視鏡検査の1ヶ月後には、どちらも同じレベルに回復していたとのことでした。
面白い結果ですね。この論文だけでは決定的なことは言えませんが、もしかしたら虫垂がある人の方が腸内細菌のレジリエンス(回復力)は高いのかもしれません。
虫垂がある人もない人も、普段からコツコツと腸活をしていれば、自然と腸内細菌のレジリエンスは上がってきますので焦らずにやっていきましょう。

ホノルルから無事に帰ってきました。トライアスロンは今年も無事に完走することができました。
しかしながら今年は今までで一番暑く、一番苦戦したトライアスロンでした。トラウマになるほどの辛さでしたので、来年に向けてまた対策をしっかりして頑張りたいと思います。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。