おはようございます。医師の秋山です。
現在、ホノルルトライアスロンに参加するためにホノルルに滞在しています。
日本からホノルルまで、約7.5時間のフライトです。時差ボケ対策のため、機内では努めて寝るようにしているのですが、まあ当然ながら熟睡はできないです。
そして寝不足のまま朝にホノルルに到着して、そこからホノルルの1日が始まります。その日は眠気とだるさが続きます。これがいわゆる時差ボケですね。

真っ暗になった機内の中で目が覚めた時にふと、
「寝不足って腸内環境にどの程度影響を及ぼすんだろうか?」
「腸の中でも時差ボケって起こるんだろうか?」
といった興味が湧きましたので調べてみました。
2026年3月に発表された論文報告です。ほんの数ヶ月前の最新の知見ですね。
Leone VA,et al,” Short-term sleep restriction in humans alters diurnal circulating metabolite profiles, including those of microbial origin” J Clin Invest. 2026 Mar 16;136(6):e189363.
対象者は9人の健康的な成人で、
A.3日連続8.5時間睡眠
B.3日連続4.5時間睡眠
この2条件をどちらも体験してもらいます。
そして、9人全員が
食事内容、食事する時間、室内環境を合わせてました。
つまり、この2条件の差は睡眠時間だけです。
そして、24時間、2時間おきに採血を行い、90種類の代謝物を測定したということです。
この結果ですが、
「善玉菌が産生する短鎖脂肪酸(特に酪酸)、しあわせホルモンであるセロトニンに関わる物質が、AとBを比較すると、それぞれが産生される量自体には2条件に差はないが、血中濃度のピークとなる時間がそれぞれズレた」
ということでした。
どういうことかというと、我々の体内には体内時計があり、その体内時計に沿って、各種ホルモンや体内で産生される物質の血中濃度が、
・朝に高くなるもの
・昼に高くなるもの
・夜に高くなるもの
といった、きれいな24時間のリズムがあるわけです。このリズムに沿って、我々の体内では様々な反応が起こっています。
ところが、たかだか3日間寝不足になるだけで、このリズムが壊れてしまったということです。
つまり、
「短鎖脂肪酸である酪酸や、セロトニンに関わる物質が、体内で必要とする時間帯に必要とする量が足りていない」
ということになるわけですね。
例えば、毎日午前10時に各細胞に届けられていた酪酸やセロトニンが、その時間になっても届かない、といった感じです。
これはまさしく腸の時差ボケではないかと思います。
この時差ボケが続くと、腸内が慢性的に炎症を起こしてきて、腸漏れを起こし、腸内環境が乱れてきますので要注意です。
いかがだったでしょうか。
仕事が忙しい、夜型なので遅くまで起きている、などで毎日寝不足な方、しっかりと眠って腸が時差ボケにならないように気をつけましょう。
私の診療は5月20日(水)から再開です。よろしくお願いします。