福岡天神内視鏡クリニックブログ

口の中は清潔に!歯周病菌が腸にまで影響を及ぼします!

おはようございます。医師の秋山です。

 

最近読んだ論文で非常に興味深い内容がありましたのでご紹介します。

 

私の母校である長崎大学の研究論文です。

Irie K,et al,” Salivary Microbiota From a Periodontitis Donor Is Associated With Altered IgA-Related Immune Features in Germ-Free Mice” J Clin Periodontol. 2026 May 23.

 doi: 10.1111/jcpe.70146. Online ahead of print.

 

この論文の趣旨ですが「歯周病の人の口の中の細菌が、自分の免疫力にも影響を与える」という内容です。

具体的には、歯周病によって口の中の環境が悪くなると、唾液腺や腸の免疫に影響を与えるということでした。

 

どんな実験をしたかというと

無菌のマウスに、

・健康な人の唾液を移植

・歯周病の人の唾液を移植

して、その後、血液、糞便、唾液腺などを調べてます。

 

そして結果なんですが、

①便中のリポカリン2という免疫系のマーカーが増加

これは、腸内の免疫細胞が活性化されていることを示唆してます。

 

②唾液腺中の免疫細胞が増加

唾液腺中の免疫細胞が活性化されていると考えられます。

 

結果だけ聞いても良くわかりませんよね。

簡単に説明すると、免疫細胞が活性化されているということは、そこで炎症が起こっていることだと考えるといいと思います。

そうであれば、唾液腺中の免疫細胞が活性化されるのはなんとなく分かりますよね。口の中に近いですから。

 

問題は、腸の中です。

腸は口から一番遠い臓器です。口の中から大腸まで到達するのに7~8m以上もあるんです。

それなのに、口の中の歯周病菌が到達して、腸内で炎症を起こしている可能性があるとは驚きですよね。

 

最近の研究で、歯周病菌の1種である「フソバクテリウム・ヌクレアタム」という菌が、大腸がんの発症に関与していると言われていますが、歯周病菌が大腸まで届いてしまい、それが大腸がんの発症に関与しているなんて怖いですよね。

 

大腸の中は通常、酸素がほとんど存在しない臓器なのですが、腸内環境が悪くなり、腸漏れなどを起こしてしまうと、腸の中に酸素が存在するようになり、これによって酸素下でも生きることができる歯周病菌が大腸に棲みつくと言われています。

 

怖い話ですが、我々ができることは

・普段から口の中を清潔に保つ

・腸活を毎日行い、腸内環境を良くする

 

最低限これだけやっておけば大丈夫です。

いかがだったでしょうか。皆さんも今日から口内環境と腸内環境を清潔に保つようにしましょう。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。