福岡天神内視鏡クリニックブログ

納豆を食べるとあの病気のリスクが下がる!

おはようございます。医師の秋山です。

 

さて、今回は納豆の新しい効果が報告されたので解説したいと思います。

2026年7月に発表された、鹿児島大学とミツカンの共同研究報告です。

Yuki Araki,et al,” Habitual natto consumption is inversely associated with mild cognitive impairment and depressive symptoms in older Japanese adults: A cross-sectional study” Nutrition Research.2026;150:174-183.

 

鹿児島県垂水市の65歳以上616人を対象としており、納豆を食べる習慣と、認知症との関係を調べてました。

結果ですが、納豆を週に2~3回以上摂る人は、認知症のリスクが37%下がったとのことです。

これはおもしろいデータですね。

 

納豆と認知症についてはいきなり出てきたわけではなくて、以前から納豆と認知症についての報告はされてました。

まずは動物実験ですが、納豆を12週間与えた老化促進マウスは、空間学習・記憶力が改善したとの報告があります。

Zheng Y,et al,” Fermented soybean foods (natto) ameliorate age-related cognitive decline by hippocampal TAAR1-mediated activation of the CaMKII/CREB/BDNF signaling pathway in senescence-accelerated mouse prone 8 (SAMP8).Food Funct. 2023 Nov 13;14(22):10097-10106.

 

さらに日本人を対象とした報告もあります。

対象が40歳~64歳、3,739人です。食事調査から豆類の摂取量を評価しています。

結果は、納豆の摂取量が多いほど、要介護認知症が少なくなるということでした。

一方、豆腐の場合は、認知症が少なくなるという有意な関連は認めなかったとのことです。

Kishida R,et al,” Dietary intake of beans and risk of disabling dementia: The Circulatory Risk in Communities Study (CIRCS)”Eur J Clin Nutr. 2023 Jan;77(1):65-70.

豆腐には認知症のリスクを低下させずに納豆だけにあるということは、納豆特有の成分が認知症のリスク低下に寄与しているということになります。

個人的な見解ですが、納豆特有の成分により、腸内環境に良い影響を及ぼし、それが認知症の予防になっているのではないかと考えています。

 

それでは、豆腐になくて納豆にある成分って何でしょうか?

いくつかあると思いますが、まず思いつくのは、納豆菌ですよね。

 納豆菌は、生きたまま腸に到達して、乳酸菌を増やしたり、短鎖脂肪酸を増やしたり、免疫力を上げたりする作用があると言われています。

Hua M,et al,” Gut-Centric Multi-System Regulation by Bacillus subtilis and Bacillus natto: A Review of Their Probiotic Functions in Nutrition, Immunity, and Metabolism” Nutrients. 2026 Feb 28;18(5):802.doi: 10.3390/nu18050802.

 また、納豆菌により、ビフィズス菌が増えるという報告もあるんです。

Kono K,et al,” Fluctuations in Intestinal Microbiota Following Ingestion of Natto Powder Containing Bacillus subtilis var. natto SONOMONO Spores: Considerations Using a Large-Scale Intestinal Microflora Database”Nutrients. 2022 Sep 16;14(18):3839.

 

つまり、納豆菌により、乳酸菌やビフィズス菌などの善玉菌が増え、短鎖脂肪酸がたくさん作られることにより認知症が予防できる、というメカニズムですね。

実際、短鎖脂肪酸が多いと認知症のリスクが下がるという報告があります。これは、短鎖脂肪酸が認知症の原因となる脳のゴミであるアミロイドβの沈着を減らしてくれるからだと言われているんです。

Gao C,et al,” Early changes of fecal short-chain fatty acid levels in patients with mild cognitive impairments”CNS Neurosci Ther. 2023 Nov;29(11):3657-3666.

いわゆる脳腸相関により、腸内環境が良くなれば脳にも良い影響を及ぼすというわけですね。

 

その他、納豆特有の成分としては、ナットウキナーゼがありますよね。

最近の報告では、マウス実験ではありますが、ナットウキナーゼが認知症の症状を改善させるとのことでした。

Naik S, et al,” Nattokinase prevents β-amyloid peptide (Aβ1-42) induced neuropsychiatric complications, neuroinflammation and BDNF signalling disruption in mice” Eur J Pharmacol. 2023 Aug 5:952:175821.doi: 10.1016/j.ejphar.2023.175821. Epub 2023 May 30.

これも、ナットウキナーゼが脳のゴミであるアミロイドβを分解する作用があるからだと言われています。

 

冒頭の鹿児島大学の研究報告になりますが、毎日納豆を食べなくても、週2~3回食べるだけで十分認知症のリスクを低下させる効果があるということになりますよね。

皆さんもぜひ、納豆を定期的に食べるようにして認知症を予防しましょう。

 

それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。

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