おはようございます。医師の秋山です。
乳酸菌やビフィズス菌を摂るために、ヨーグルトを食べたり整腸剤を飲んだりされている方も多いのではないかと思いますが、果たしてこの乳酸菌やビフィズス菌は本当に腸にまで届いているのでしょうか?
まず、「生きたままの乳酸菌やビフィズス菌」は、ほとんどが胃の中で死んでしまいます。食事直後であれば、食べ物によって胃酸が薄まりますので、生きたままの乳酸菌やビフィズス菌を腸まで届けたいと思うなら、食事後すぐに摂取するのが良いでしょうね。
それでは、腸まで届いた乳酸菌やビフィズス菌は、どんな役割を果たすのでしょうか?
まず、小腸に到達した乳酸菌は、小腸に存在する「M細胞」に取り込まれ、免疫細胞の一種である「樹状細胞」の中に入り込みます。すると「樹状細胞」が活性化され、「T細胞」を活性化します。「T細胞」は免疫系を調節する役割があるため、これが活性化されることにより、アレルギー反応を抑えたり、病気にかかりにくくしたり、がんを予防したりするのです。
また、大腸まで届いた乳酸菌やビフィズス菌は、食物繊維やオリゴ糖などを分解して酪酸や酢酸などの「短鎖脂肪酸」を作り、これが腸の蠕動運動を促すことで、便秘を解消します。また、「短鎖脂肪酸」はその他にも、肥満防止、アンチエイジング効果、筋力低下防止などの作用があります。
これらの効果については、生きたまま届かなくても、死んだ乳酸菌やビフィズス菌でも効果は期待できますので大丈夫です。気にせず摂取してください。
ただ、これらの乳酸菌やビフィズス菌は、腸に完全に定着することはありません。摂取するのをやめると1週間ほどで腸内から消えてしまいます。ですので毎日欠かさず摂取することが大切です。
いかがでしょうか?皆さんも積極的に乳酸菌やビフィズス菌を摂るようにしましょうね。
ヨーグルトを毎日摂取する場合、脂肪分ゼロのヨーグルトがオススメです。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。