こんにちは、医師の秋山です。
今回は、いま老年医学界で話題となっている「サルコペニア」と「フレイル」についてお話ししたいと思います。
日本は平均寿命が男性81歳、女性が87歳を超え、超高齢社会です。
超高齢化社会に伴い、最近「サルコペニア」「フレイル」という言葉が使われるようになりました。
老化によって筋肉量や筋力が低下することを「サルコペニア」と呼んでいます。
また、高齢者で筋力不足などで活動性が低下している状態を「フレイル」と呼んでいます。
フレイルの方が、サルコペニアよりも広義で老化による活動性の低下や疲労感などを指す言葉となっています。
フレイルは「心身ともに活動性が落ちた状態」とも言えます。
フレイルを予防するまたは改善するためには、「良く眠り、良く食べ、良く運動すること」が大切だと思います。
この①良く眠る、②良く食べる、③良く運動する、といった若い人たちには当たり前のことが年齢と共に難しくなってくるのが高齢者の特徴です。
ではどのようにしてフレイルを予防したら良いのでしょうか。
フレイルの1つの改善策として、「人参養栄湯」という漢方が最近注目されています。
人参養栄湯は人参(ウコギ科の植物で、野菜のにんじんとは違います)を主成分として12の生薬から成り立っています。
フレイルを予防する①②③に対して、人参養栄湯がどのようにして働くかというと、
①精神を安定させ、不眠を改善します
②食欲を増進させ、よく食べられるようになります
③抑うつ作用・意欲を亢進させ、運動しようという気持ちを持ちあげる作用があります
①②③の効能が互いに作用して、フレイルの予防に役に立つと言われています。
筋肉量の減少には、モチベーションの喪失のために動かなくなることが関係していることが多いので、「意欲の亢進」というものはとても重要な作用だと思います。
最近は”高齢者に最強の漢方”であると、「人参養栄湯」の効果が注目されています。
高齢者でなくとも、「今から始めるアンチエンジング」として、壮年期のみなさまにも試していただきたい漢方です。