福岡天神内視鏡クリニックブログ

腸内細菌の働き方改革 〜腸内環境から考えたダイエット法 

こんにちは、医師の秋山です。

冬場は美味しい物を食べる機会が増えるため、体重も増えやすい季節ですね。

 

今回は、腸内環境から考えたダイエット法を文献から紹介したいと思います。

前々回の短鎖脂肪酸と発酵のブログを読んでから見ていただくと読みやすいかと思います。

「短鎖脂肪酸」と「発酵」 〜腸内環境改善のキーワード

琉球大学では、沖縄県在住のメタボリックシンドロームの男性に2ヶ月間、主食の白米を等カロリーの玄米に「置き換える」臨床試験がありました。

その結果、肥満の改善、食後高血糖の改善、脂肪肝の改善が得られたとのことです。

さらに動物性脂肪に対する嗜好性の軽減も見られたとのことです。

これだけだとただの「玄米置き換えダイエット」の紹介です。

さらに研究が進んでいますので、玄米摂取における腸内細菌と短鎖脂肪酸の結果も合わせて見てみましょう。

玄米摂取後の腸内フローラはバランスが変化しており、バクテロイデス門(ヤセ菌と言われています)が増加して、ファーマキューティス門(こちらはデブ菌です)が減少したことが確認されました。

また玄米摂取後は、善玉菌が「発酵」してできた「短鎖脂肪酸」である「酪酸」や「吉草酸」の血中濃度が上昇していたとのことです。

酪酸が増えると酪酸が酸素を消費して、ヤセ菌である善玉菌が活動しやすい環境になります。

玄米だけでなく、日本人が昔から慣れ親しんできた和食の中には食物繊維を含んだ食品が数多くあります。

辛いダイエットをしなくとも、「腸内環境」と「発酵代謝産物」を意識して食物繊維と善玉菌を摂取すると、無理なくやせ体質に変化するのではないかと思います。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。