福岡天神内視鏡クリニックブログ

ガス腹を自宅で改善する方法

医師の秋山です。

前回「SIBO(シーボ:小腸内の細菌繁殖)」について書きました。

SIBOは小腸内に10倍以上に繁殖した細菌がガスを発生することによって、小腸がパンパンに膨れ上がる疾患です。

「私はSIBOかもしれない」と思われた方も、少なくないのではないかと思います。

アメリカでは数十年も前からSIBOの考え方があり、食事療法や抗生物質などの治療法が普及しています。

対して日本では数年前くらいからSIBOの考えがようやく上陸しましたが、まだまだ広まる様子はありません。

 

機能性ディスペプシアや過敏性腸症候群にも言えることですが、日本では「目に見えない疾患」が注目を浴びることは少ないのです。

胃潰瘍や胃がんの治療は目覚ましく発展しましたが、「お腹の張り」「便秘・下痢」「胃もたれ・胃痛」と言った症状の診療は苦手なままです。

日本でSIBOの検査は、まだ数えるくらいの施設でしか行われていません。

診療も自費診療で、検査におよそ7万円くらいかかる施設が多いです(注意;当院ではSIBOの検査は行なっておりません)。

SIBOの原因になることが多い「食事の遅延型アレルギー検査」も自費診療で3〜4万円くらいかかります。(この検査も当院では行なっておりません)。

時間的・経済的負担が大きいので、当院ではすぐにおすすめできる検査ではないと考えています。

 

でも検査はできなくとも、自宅でSIBOの自己治療は行うことが可能だと思います。

以前私が書いていた「低FODMAP(フォドマップ)の食事の具体例」は、SIBOや遅延型アレルギー検査をしなくとも試すことができます。

特に小麦アレルギーや乳製品アレルギーの方は意外に多いため、主食のパンやパスタをご飯やお蕎麦に変えて、乳製品を控えることから、tryしてみる価値はあると思います。

 

またいつも何かを「だらだら食い」している方はお腹が張りやすいと言われています。

胃や小腸は空腹の時にMMCという蠕動運動が起きるのですが、空腹時間がないと胃腸の蠕動運動が落ちてしまい、小腸に細菌が繁殖しやすくなるのです。

 

それから「フェロベリン」という薬草(サプリや医療品にあります)や「ムコスタ」という胃粘膜保護剤が、SIBOやリーキーガット症候群に効果があると言われています。

ガス腹・お腹の張りの「検査」が一般的になる日は遠いかもしれませんが、治療の実践は自宅でも可能です。

お腹の症状がひどい方は、一度これらの方法を試してみてはいかがでしょうか。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。