おはようございます。
前回、ヘリコバクター・ピロリ菌の怖さについてお話ししました。では、ピロリ菌陽性の場合、どうやってやっつけるのでしょうか?
ピロリ菌は今、世界中を騒がせているコロナと違い、細菌なので抗生物質でやっつけることが可能です。
2種類の抗生物質に1種類の胃酸を抑える胃薬を1日2回朝夕食後の内服を1週間だけ行います。
抗生剤は腸内細菌も一緒にやっつけてしまうため、内服で下痢しやすくなるため、予防のためにこれに加えて整腸剤も1日2回内服します。
以上で終わりです。簡単ですよね。
ただし、飲酒・喫煙をされる方は、内服加療中の1週間は禁酒・禁煙が必要です。
飲酒・喫煙は除菌の成功率を下げると報告されており、特に飲酒は薬による肝機能障害を起こしやすくしたり、場合によっては劇症肝炎というひどい肝炎を起こすこともあるからです。
また、飲み忘れがあると、除菌率が下がるため、飲み忘れもしないように気を付ける必要があります。
以上のことを頑張れば除菌ができますが、残念ながら除菌成功率は100%ではありません。
1回目の除菌の成功率は約60〜70%と言われています。除菌が失敗した場合は、感染しているピロリ菌が1回目に飲んだ抗生剤に抵抗性を持った菌だったということになります。
この場合は抗生剤をかえて、再度、1日2回の内服を1週間行います。2回目の除菌の成功率は約97%と言われています。
除菌が成功すると、良性の胃潰瘍や十二指腸潰瘍の再発は、90%以上防ぐことができると言われています。しかし、残念ながら、除菌が成功しても胃癌になるリスクは30〜40%程度しか低下させることができません。除菌をしたことで安心され、胃カメラを受けなくなり、その後進行胃癌が見つかる方もおられます。
除菌治療も大切ですが、一番大切なのは年1回の定期的な胃カメラ受診です。
胃癌は早期発見・早期治療が出来れば、根治できる可能性が高い癌です。
胃癌で命を奪われることがないよう検診目的での定期的な胃カメラ受診を強くお勧めします!!
興味がある方はお気軽にご相談ください。