おはようございます。
最近、胃の不調で当クリニックを受診され、胃内視鏡検査(胃カメラ検査)を受けた方でヘリコバクター・ピロリ菌感染が見つかる方が多くいらっしゃいます。
このような患者さんでは、除菌加療を行いますが、ほとんどの方が除菌後に長年悩まれていた症状が改善しています。
若いから大丈夫ということはありません。年齢にかかわらず胃の不調がある場合は、ご相談ください。
ところで皆さんは鳥肌胃炎って聞いたことないでしょうか?
その名の通り、胃内視鏡検査(胃カメラ検査)をすると胃の出口付近の表面粘膜に鳥肌の様な凹凸が見られる胃炎です。胃がんの原因になるヘリコバクター・ピロリ菌感染による慢性胃炎の一種です。病理組織学的にはこの凹凸はリンパ濾胞の過形成です。
鳥肌胃炎は、特に若い女性でヘリコバクター・ピロリ感染がある方に多く見られると報告されています。ピロリ菌感染による慢性胃炎は胃がんの原因となりますが、鳥肌胃炎は通常の胃がんよりもとくにスキルス胃がんなどの悪性度の高い未分化型胃がんのリスクファクターであると考えられています。
ピロリ菌感染のある若年者の中でも鳥肌胃炎がある場合は、無い場合に比べて胃がんのリスクが60倍以上も高いという報告もあります。
このため、しっかりと診断し、除菌加療を行うことが必要です。
除菌が成功すれば、胃がんのリスクは徐々に低下していきますが、残念ながらそのリスクはゼロにはならないため、少なくとも年に1回の胃内視鏡検査(胃カメラ)による定期検査を受けることが大切です。鳥肌胃炎は、除菌を行えば、徐々に改善していき凹凸は消退します。
鳥肌胃炎がある場合は、胃部不快感などの症状が出やすいと言われています。
ご家族にピロリ菌にかかっていた方があり、いる場合は症状の有無に関わらず、一度胃内視鏡検査(胃カメラ検査)を受けることをお勧めします。
慢性的に胃部不快感、みぞおちの違和感・痛み、胸やけ症状等を認める方は絶対に検査を受けることをお勧めします。
気になる方は是非一度、お気軽にご相談下さい。