福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘を考察するその15 おならや臭いうんちの原因って何!?

おはようございます。

診察時に「最近、ガスが良く出てお腹が良く張るんです。」「最近、うんちの匂いが凄く臭くて気になります。」と訴えられる患者様がいらっしゃいますが、おならの原因や臭いうんちの匂いの原因が何かご存知ですか?

 

1日に出るおならの量は、個人差がありますが500~2000mLと言われています。

おならの約70%は飲食時や唾を飲み込む際に一緒に飲み込んだ空気で、残りの約30%は食べ物が消化される際に発生したり、腸内細菌によって産生されるガスです。

おならが沢山溜まるとお腹が張りますが、いつでもどこでも自由におならをすることが出来るわけではないため、我慢しすぎるとお腹が張るだけでなく痛みが出ることもあります。

 

おならの量を減らすためには次の事に気を付けましょう!!

1)食べ物は良く噛んでゆっくり食べ、消化管への空気の混入を減らす

2)ビール、炭酸飲料などの発泡性の飲料を飲み過ぎない

3)乳酸菌や食物繊維を摂って悪玉菌が増加しないようにする

4)腸のマッサージやお腹の温めを行い腸の動きを活性化させ、ガスが溜まりにくくする

 

 

また、おならの成分は、窒素、酸素、二酸化炭素、水素、メタンなどの約400種類もの成分から構成されています。含まれる成分によっては強烈な匂いの原因となります。

腸の中では体温を利用して食べ物の発酵や腐敗を行っていますが、腸内環境が善玉菌優位の場合は発酵が起き、悪玉菌が優位になっている場合は腐敗が起きます。

発酵が起きている腸内では、主に窒素、二酸化炭素、水素、メタンガスなどが発生しますが、これらのガスはあまり匂いがありません

一方で腐敗が起きている腸内では、スカトール、インドール、硫化水素、アンモニア、メチルメルカプタン(メタンチオール)などが発生しますが、これらは匂いがきつく、特に硫化水素はタマゴの腐ったような匂いの原因となり、メチルメルカプタン(メタンチオール)はタマネギが腐ったような匂いがします

 

つまり、おならや便が臭い場合は、腸内環境が悪く、悪玉菌が多く腸内で腐敗が起きていると考えられます。

便秘の状態が長く続くと腸から便の成分が毛細血管を介して吸収されやすくなりますが、便の成分が入った血液が全身を巡り、それが汗となって体表や毛穴から出ると体臭となり、肺や唾液に回ると口臭として匂います。

 

便秘を改善させるだけでなく、おならの匂いや体臭・口臭の原因を絶つためにも、腸内環境を整え、善玉菌の働きを促すことが大切です。

納豆や味噌、しょうゆ、ぬか漬けなどの乳酸菌を多く含む発酵食品を意識して摂取し、腸内細菌のエサとなる食物繊維をしっかり摂取するように意識しましょう。

 

お悩みの方は、是非一度、ご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。