こんにちは、医師の中島です。
今回は自律神経の乱れ、すなわち交感神経に傾いているバランスを如何にして副交感神経へ戻すのか、腸内環境の視点からそのコツをお話します。
腸内環境も自律神経を整える上で重要なポイントです。従来は「脳→自律神経→腸」の順番に情報が伝わると考えられてきましたが、近年はその逆方向もあることが判明しています(脳腸相関)。
つまり、腸内環境の悪さが自律神経を乱す原因になりうるということです。
腸内環境が悪くなる主な理由はストレスと食べすぎです。ストレス過食で肥満になると代謝や血流に悪影響が出て、ますます自律神経に負担をかけます。
また、自律神経が乱れると日中の交感神経がうまく働かないため、脂肪が代謝されず肥満につながるという悪循環に陥ってしまいます。
BMI値が高いと(25以上)自律神経の活性度が低くなる、というデータも出ています。
cf. J Jp Soc Psychosom Obstet Gynecol Vol.19,No3 p271-277
腸内環境を整える方法はいろいろありますが、基本は朝と昼はしっかり食べ、夜は控えめ(たんぱく質と食物繊維中心)にするのが理想の食生活です。夜間に腸を酷使せずに済み、朝から胃もたれなくきちんと食べられて、自然な排泄リズムができます。
朝一番にコップ1杯の白湯を飲むのもおすすめです。腸の活性化を促すのはもちろん、睡眠中の発汗で失われた水分も補給できます。
また、食事は家族や友人などとコミュニケーションをとりながらゆっくりよく噛んで食べることが大切です。血糖値の急上昇を予防でき、少量でも満腹感を感じやすく過食を防げます。そして、ゆっくり楽しみながら食べることで脳を刺激し、心の安定に欠かせない幸せホルモンであるセロトニンの活性化を促し、自律神経が乱れにくくなります。
いかがでしたか?
数週間にわたり自律神経を整える方策を述べてきましたが、手軽に取り組めるところから始めてみませんか?
ルーチン化で生活をシンプルにし、そのぶん余裕をもって日々を送ることが、交感神経へ傾いたバランスを正常化する秘訣といっても過言ではないと思います。
週の中日ですね、一息ついて後半も頑張っていきましょう。