おはようございます。医師の秋山です。
先日、興味深い記事を読みましたのでここで解説したいと思います。
神戸学院大学の研究論文ですが、結論を一言で言うと
「主食、主菜、副菜を組み合わせた食事の頻度は栄養素摂取量の適切さと比例する」
とのことです。
ここでの主食、主菜、副菜ですが
主食:ご飯、パン、麺など
主菜:肉、魚、卵、大豆、大豆製品を主材料とする料理
副菜:野菜、芋、海藻、きのこを主材料とする料理
と定義されています。
30~69歳の日本人331人を対象に
主食、主菜、副菜を組み合わせた食事が1日2回以上の日が
・ほぼ毎日
・週に4~5日
・週に2~3日
・週に1回以下
の4つのグループに分けられていました。
タンパク質、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンC、葉酸などの各栄養素は、主食、主菜、副菜を組み合わせた食事の頻度が多ければ各栄養素が充足した人が多く、頻度が少なければ各栄養素が不足している人が多いとのことでした。
「なんだ、そんなの当たり前じゃん」
という声が聞こえてきそうです。
私は優秀な論文だと思いました。
当たり前だろうなと思っていることを、きちんと研究してデータにまとめて論文化することも、研究者としての使命の1つですからね。このような論文は過去にはないため、目の付け所がいいなと思いました。
そしてさらにこの論文で私が興味深いと思ったのは
「食物繊維の摂取量は、主食、主菜、副菜を組み合わせた食事の頻度に関わらず低く、86.1%が食物繊維摂取量不足である」
という結果です。
これは衝撃ですね。きちんと主菜、主食、副菜を摂っていても、食物繊維の摂取量が足りていない人が8割以上もいるんです。
厚生労働省は、食物繊維の目標摂取量を成人男性1日21g以上、成人女性18g以上と設定しています。
ちなみに世界保健機関(WHO)では10歳以上の男女で食物繊維を1日25g以上摂りましょう、と推奨しています。
日本人の1日の食物繊維摂取量が平均で14g前後と言われてますので、主食、主菜、副菜をきちんと食べているのにも関わらず、食物繊維豊富な食べ物を食べていないということになります。
ましてやWHOの基準で考えると、食物繊維不足の日本人はおそらく9割を超えてくるのではないでしょうか。
いかがだったでしょうか。食物繊維は腸活に欠かせない栄養素の1つです。
皆さんも意識して食物繊維をきちんと摂るようにしましょう。
次回はバランスよく食物繊維が入っている食べ物を紹介したいと思います。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。