おはようございます。医師の秋山です。
今回はビタミンDネタです。
「ビタミンDサプリメントの中に、マグネシウムやビタミンK2が一緒に含まれていることがありますが、これは何か意味があるのでしょうか?」
といった質問を受けました。なかなか鋭い質問ですね。
今回はこの質問にお答えしたいと思います!
①マグネシウム
マグネシウムは、体の中で起こっている沢山の代謝の補酵素として必要なミネラルです。
そして、不活性型ビタミンDを活性型ビタミンD(1,25―ジヒドロキシビタミンD3)に変換するのにマグネシウムが必要と言われています。
サプリメントで飲むビタミンDは、不活性型ビタミンDです。これが各細胞において、活性型ビタミンDとなり、ビタミンDが作用することになります。
マグネシウムが不足すると、不活性型ビタミンDから活性型ビタミンDへの変換ができなくなるため、せっかくサプリメントを飲んでも効果が出ないことがあります。
そのため、ビタミンDのサプリメントの中にマグネシウムが一緒に含まれていることがあるんです。
マグネシウムは慢性的に不足している人が多いですが、普段の食事からマグネシウムを含む食べ物を積極的に摂取すれば大丈夫です。
マグネシウムを多く含む食べ物としては、緑黄色野菜、海藻類、そして納豆です。
腸活で必須の食べ物ばかりですね。
②ビタミンK2
次にビタミンK2ですが、これは、カルシウムの骨への沈着を助けるビタミンです。つまり、カルシウムが血管に沈着するのを防ぎ、効果的にカルシウムを骨に利用してくれます。
ビタミンDの血中濃度が上がると、腸管からのカルシウムの吸収率が上がります。
ビタミンK2が不足していると、腸管から吸収されたカルシウムが骨へ沈着されず、余ったカルシウムが血管に沈着してしまうんです。
ビタミンK2は実は腸内細菌で産生してますし、納豆にもたくさん含まれています。
納豆を1日1パック食べると、骨折が減るという報告があるくらいです。
(Kojima et al. The Journal of Nutrition 2020)
納豆を食べると、腸内環境が良くなって腸内細菌がビタミンK2を作ってくれるだけでなく、ビタミンK2も補充できるという優れものです。
そういえば、納豆にはマグネシウムも含まれてました。改めて納豆の素晴らしさがわかりますね。
以上のような理由で、ビタミンDのサプリメントの中にマグネシウムやビタミンK2が含まれていることになります。
マグネシウムやビタミンK2が含まれてなくても、納豆食べていたら問題なさそうですね。
皆さんもぜひ1日1パックでいいので納豆を食べるようにしましょう。
9月26日に私と平島先生の共著である「たんぱく質と腸の新常識」が発売されました。
わかりやすい内容になってますので、本屋さんに並んでいたらぜひ手に取って読んでみてください。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。