こんにちは、医師の中島です。
前回、食後の猛烈な眠気や集中力低下は、食後の血糖変動、いわゆる血糖値スパイクが原因であるという話でした。
ただ、食後高血糖の尼介なところは、通常の健康診断ではまず見つからないことです。
健診で測る血糖値は空腹時のものであり、食後の血糖値は測りません。空腹時血糖が正常であっても、食後に200mg/dLを超えている、つまり糖尿病の診断基準を満たしているということですが、実はこういう人はかなりの数に上るといわれています。
日本人の血糖異常(糖尿病、もしくは糖尿病の可能性がある人)は1800万人を超え、6人に1人は血糖異常ということになります。40歳以上では3~4人に1人とも言われ、食後高血糖を抱える人はさらに多いとみられます。
食後、以下のような症状があったら血糖値スパイクになっているかもしれません。
・強い眠気
・だるい、身体が重い
・頭痛
・目がかすむ
・胸がドキドキする
・耐えられない空腹感

とはいえ、このような症状は短期的な影響であり、血糖値スパイクの害はそれだけにとどまりません。
血糖値の急激な上下動は体内に「酸化ストレス」を発生させます。酸化ストレスは細胞を傷つけ、さまざまな臓器にダメージを与えます。動脈硬化、認知機能の低下、さらにはDNAを傷つけることで癌のリスクも高まります。
もうひとつ、血糖値が高い状態が続くと起こるのが「糖化反応」です。血液中の余分なブドウ糖がたんぱく質と結びつき、AGEs (終末糖化産物)という物質を作ります。これが肌のコラーゲン繊維に蓄積すると、シワやシミの原因になります。つまり「見た目が老化」するわけです。同じコラーゲンは骨にも存在するので、骨密度が正常でも骨折しやすくなることも起こりえます。
つまり、血糖値スパイクは、眠気や集中力の低下で仕事のパフォーマンスを下げるだけでなく、将来の認知症、動脈硬化、癌、肌の老化、骨粗鬆症などあらゆる方面から体を触んでいくのです。
「老化の黄色信号」といわれる所以です。
では、食後の眠気や集中力低下などの糖質疲労を防ぐにはどうすればいいのか。
次回からお話していきます。
週の中日ですね、一息ついて後半もがんばっていきましょう。