おはようございます。医師の秋山です。
今回は、食べ過ぎについて解説していきたいと思います。

毎日の食事で
「ちょっと食べ過ぎたな」と感じたことはありませんか?
それってもしかしたらある栄養素不足が原因かもしれないと言われています。
皆さんは「プロテイン・レバレッジ仮説」を聞いたことありますか?
これは、2005年にオックスフォード大学の研究者によって提唱された概念です。
簡単に説明すると、
「人間を含む多くの生物は、必要なたんぱく質量を満たすまで食事を摂り続けてしまう傾向がある」
というものです。
でも、なんで生物は体に必要なたんぱく質量を摂ろうとするんでしょうか?
糖質や脂質という栄養素は、体の中で作ったり貯蔵したりできます。
ところが、たんぱく質の骨組みとなっているアミノ酸は、体内で合成ができないんですよね。
必須アミノ酸なんかは食べ物から摂るしかないんです。
そして、たんぱく質は我々の体を作っている細胞の材料でしたね。
筋肉、免疫細胞、酵素など、すべてたんぱく質でできています。
つまり、たんぱく質が不足すると、生命を維持することができなくなるんです。
ですので、体は無意識に自分が1日に必要なたんぱく質量を把握しており、その目標値を満たすまで食べようというわけです。
なるほどという仮説ですね。
しかしながら、この仮説が現代の食生活で問題になっているんです。
まず、我々の生活に溢れている食品は以下のような特徴があります。
①現代の食事は、「安くてうまいものを大量生産している」
安くてうまいものを手っ取り早く作るには、「糖質」と「脂質」で作ればいいです。
プロテインバーを思い出してください。プロテインが20gも入っているプロテインバーっていくら糖質で甘くしてもあまり美味しくないですよね。つまり、美味しくするにはたんぱく質は少ない方がいいんです。
②現代の食事は、超加工品で溢れている。
安くて大量生産するためには、人工甘味料、保存料などの超加工品が必要です。これらを使うと、どうしてもたんぱく質がほとんど含まれない食品が出来上がってしまいます。
菓子パン、スナック菓子、清涼飲料水などはほとんどたんぱく質は含まれていません。
以上より、我々は知らない間に低たんぱく高カロリー食ばかりを食べていることになります。
するとここで「プロテイン・レバレッジ仮説」が発動します。
「たんぱく質が足りないからもっと食べなきゃ!」と食欲が一向に低下しないんです。
そうすると、糖質と脂質まみれの食べ物をどんどん食べてしまい、カロリーオーバーになって肥満の原因となってしまうんですね。
実際、たんぱく質の割合が低い食事ほど摂取カロリーが増えてしまうという報告があります。
Gosby AK,et al, “Protein leverage and energy intake”
Obes Rev. 2014 Mar;15(3):183-91.doi: 10.1111/obr.12131. Epub 2013 Oct 28.
いかがだったでしょうか。現代人はたんぱく質が不足しています。毎食必ずたんぱく質25~30gを目標に摂るようにしましょう。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。