おはようございます。医師の秋山です。
さて、今回は運動と認知症の話をしたいと思います。

認知症を予防するのには運動が有効であるとはよく言われていますよね。
皆さんもなんとなく運動は認知症を予防してくれるような印象を持たれているのではないでしょうか。
それでは、どんな運動が認知症を予防するのでしょうか?普段、仕事であちこち動き回ったり、家事で歩き回っているケースも運動と考えても良いのでしょうか?
そのあたりについての報告が最近出てましたので解説していきたいと思います。
今年の7月に発表された方向です。かなりタイムリーな報告です。
Feter N,et al,” Domain-specific physical activity levels and risk of dementia: a systematic review and meta-analysis”Lancet Public Health.2026 Sep;11(9):e650-e664.
2026年5月までに報告された74研究、約422.7万人のデータを集めて統合してまとめてます。
内容としては、身体活動を
に分けてます。
そしてこれらが、認知症のリスクをどれくらい下げるかをまとめてました。
結果です。
まずは、総合的に身体活動が多い人は、身体活動が少ない人に比べると、認知症のリスクは20%低下してました。
つまり、従来言われているように
「身体活動が多い人は、将来的に認知症になるリスクが低くなる」
ということになります。これはもう間違いはない事実なんだと思います。
そしてそこから一歩踏み込んだ結果です。
先ほど身体活動を4つのカテゴリーに分けたと思いますが、この中で、確実に認知症のリスクを下げるのが、1つだけあります。
それは、余暇の運動です。
時間がある時に行う、ジョギング、ウォーキング、スポーツなどの運動は、認知症のリスクを24%下げるということでした。
これは個人的に衝撃でしたね。
結構、仕事で歩き回って気づいたら1万歩歩いてたりとか、肉体労働なんかは活動量が高く、実際、そのような方は非常に多いと思います。
しかしながらそれらは、「認知症の予防」ということに関しては関係ないということなんです。
でも不思議ですよね。仕事でも仕事外での運動でも、体を動かしていることには変わりはないと思うのですが、なぜ余暇の運動だけが認知症のリスクを下げるのでしょうか?
ここについてはまだ分かってないですが、論文では、
・余暇運動は「運動→回復」がセットだが、仕事では十分な休息が取れない
・余暇運動は適度な強度で刺激を与えることができるが、仕事ではそれができない
・余暇運動はストレス解消になるが、仕事は逆にストレスを感じていることが多い
この辺りが認知症のリスクと関係しているのではないかと考察しています。
つまり、この研究を一言でまとめると
「仕事とは別に、空いた時間に運動することが認知症のリスクを下げる」
ということになりますね。
それでは、どんな運動をどれくらいすれば良いのか個人的に興味がありましたので調べてみました。
仕事から家に帰ってから座っている時間の30分を、ウォーキング、ジョギング、自転車、スイミング、エアロビクスなどの中〜高強度の運動に置き換えると、認知症のリスクが18%低下するとのことです。
Sun Y,et al,” Replacement of leisure-time sedentary behavior with various physical activities and the risk of dementia incidence and mortality: A prospective cohort study”J Sport Health Sci. 2023 May;12(3):287-294.
なるほど、やはり30分程度は運動しないとなかなか効果は出てこないんでしょうね。
いかがだったでしょうか。将来の認知症を予防するためにも、空いた時間に1日30分程度の運動を毎日コツコツと行いましょう。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。