おはようございます。医師の秋山です。
この1か月、診療をしていてとても気になっていることがあります。
それは、今年受診される皆様の多くが「花粉症に悩まされている」ことです。
私は毎年診療していて、これほどの頻度で花粉症の患者さんをみたことはないと思います(3人に1人はいるのではないでしょうか)。
胃腸の調子よりも、つい花粉症の方を心配してしまいます。
さて今回は
「花粉症で病院で処方される薬、ドラッグストアで買う薬の効果・副作用(メリット・デメリット)」
についてまとめてみました。
以下を参考にしてみて、ご自身にあった花粉症薬を探してみましょう。
内服薬
① アレロック(オロパタジン):1日に2回の内服
メリット:安価である(10~40円/1日)、効果が強力である
デメリット:眠気が強く出ることがある、口が乾く(副作用が出やすい)、病院でしか処方してもらえない
② アレグラ60㎎(フェキソフェナジン):1日に2回の内服
メリット:眠くなりにくい、ドラッグストアでも入手可能(嵐の大野くんがCMしています)。
デメリット:やや効果が弱い、値段が高い(30~230円/1日)
③ アレジオン20㎎(エビナスチン):1日1回の内服
メリット:効果が強い、眠くなりにくい、喘息にも適応あり。ドラッグストアでも入手可能、1日1回の内服でよい
デメリット:値段が高い(27~178円/1日)
④ クラリチン10㎎(レディタブ)
メリット:効果が強い、眠くなりにくい、ドラッグストアでも入手可能、1日1回の内服でよい、口の中で溶ける
デメリット:値段が高い(26~197円/1日)
⑤ タリオン10㎎(ベポスタチン)、ロタラジンOD10㎎
メリット:効果の発現が早い、眠くなりにくい、1日1回の内服でよい、口の中で溶ける(OD錠)、タリオンは値段が安い(8~12円/日)
デメリット:女性で眠くなることがある。効果はやや弱い、病院でしか処方してもらえない
⑥ ディレグラ(フェキソフェナジン+塩酸ブソイドエフェドリン)
メリット:アレグラのアレルギー性鼻炎に特化した薬で新しい薬です。強い鼻閉改善効果がある、眠くなりにくい、比較的安価(40円/日)
デメリット:1日2回の内服、病院でしか処方してもらえない
⑦ ビラノア20㎎(ビラスチン)
メリット:症状改善効果が非常に強い、眠くなりにくい、1日1回の内服。
抗アレルギー剤の中では、効果が強くかつ副作用が出にくいという新しいお薬です。
デメリット:病院でしか処方してもらえない
点鼻薬(市販の目薬は種類が多いために、病院処方のもののみ書いています)
⑧ ナゾネックス50μg(ステロイドモメタゾン)
メリット:鼻に直接作用するために、他の副作用が少ない、症状改善効果が強い、2噴霧ずつ1日1回の噴霧
デメリット:病院でしか処方してもらえない
⑨ アラミスト27.5μg(フルチカゾンカルボン酸エステル)
メリット:鼻に直接作用するために、他の副作用が少ない、症状改善効果が強い、2噴霧ずつ1日1回の噴霧、
デメリット:病院でしか処方してもらえない
点眼薬(点鼻薬と同様に、病院処方のもののみ書いています)
⑩ パタノール点眼0.1%(1日4回点眼、1本100円)
メリット:眼に直接作用するために、他の副作用が少ない、症状改善効果が強い
デメリット:病院でしか処方してもらえない
⑪ フルメトロン点眼0.02%(ステロイドフルメトロン、1日1回点眼、1本70円)
メリット:抗炎症作用が強い。眼に直接作用するために、他の副作用が少ない、眼が充血して痒いときに2~3日連続で使用
デメリット:病院でしか処方してもらえない
以上、花粉症の内服薬・点鼻薬・点眼薬についてまとめました。
ポイントとして、
1.「鼻アレルギー」の場合、ステロイド点鼻薬を中心に治療するならば、内服薬は必要としないこともある。
2.症状が強い場合には、病院を受診してステロイドの短期間内服を処方してもらう方が良い。
3.2の場合ステロイドを内服する場合には、夜間に目が覚めやすい傾向があるため、主治医と相談して抗ヒスタミン薬を併用するとよい。
ことです。
また、花粉症の季節に咳が長引く場合には、「アレルギー性気管支炎」を起こしていることがありますので、呼吸器内科の受診をお勧めします。
内服薬や点眼・点鼻薬とともに、このような高濃度ビタミンC点滴、ビタミンCの経口摂取、整腸剤の内服を一緒にしていただくと、「花粉症の症状軽減、予防」に役に立つと思います。
ぜひ一度お試しください。