おはようございます。
今回は逆流性食道炎シリーズの第12回です。
逆流性食道炎で通院の患者様から「熱いものや冷たいものを食べると症状が悪化する気がするのですが、食べない方がいいですか?」という質問を受けることがあります。
そこで今回は、熱いものや冷たいものが逆流性食道炎を悪化させるかどうかについてお話ししたいと思います。
熱いものや冷たいものそのものは、逆流性食道炎の原因になるというデータはありませんが、逆流性食道炎の方が熱いものや冷たいものを摂取すると、その症状は悪化する可能性があります。
「え!?どういうこと?」
「一休さんのトンチですか?」
と思われた方は40代以上の方ですね(笑)
食道粘膜は扁平上皮という体の皮膚と同じ細胞で出来ているため、主成分が塩酸である胃酸が逆流し、食道粘膜に触れると、食道粘膜に炎症を起こし、胸やけや呑酸、胸部不快感、みぞおちの痛みなどの症状が出現します。
手などの皮膚に塩酸がかかるとヤケドしてしまいますが、それと同じことが食道で起きているイメージです。
これが逆流性食道炎です。
特に食道に問題がない方でも、非常に熱いものや冷たいものを食べるとその食べ物がのどを通っていく感じが分かるように、これらの食べ物は食道の知覚神経を刺激します。
炎症が起きている部位は、刺激を過敏に感じる知覚過敏の状態になっているため、通常でも知覚神経を刺激する熱いものや冷たいものは逆流性食道炎の症状を悪化させる可能性があります。
このため、胸やけや胃もたれ、胃痛などの酸逆流症状がある場合は、熱いものや冷たいものの摂取は控えましょう。
症状があるときは30~40℃ぐらいの適温のものを摂取するようにするのがオススメです。
逆流性食道炎の症状は生活習慣の改善を意識すると薬を飲まなくても随分軽快します。
酸逆流症状がある場合は、まずは食習慣を見直してみましょう。
お悩みの場合は、是非一度ご相談ください。