福岡天神内視鏡クリニックブログ

便秘を考察する その30 腸のマッサージの効果を高めるコツ

おはようございます。

前回、ねじれ腸と落下腸による便秘を改善させるマッサージについてお話ししましたが、今回は、このマッサージの効果を高めるコツについてお話ししたいと思います。

 

 

コツ1:起床後(朝食摂取前)と夜寝る前(入浴中も可)に1日2回毎日継続

ねじれ腸・落下腸の便秘を改善させるマッサージを行う上で一番重要なコツは、このマッサージを毎日継続することです。

毎日継続させるためには、習慣化させるのが大切です。

起床後朝食摂取前と就寝前であれば、習慣化させやすいため毎日無理なく継続させることが可能です。

 

また、腸の活動サイクルからも起床後朝食摂取前と就寝前のマッサージはお勧めです。

就寝中は排便しないように腸は動きを止めていますが、起床後は排便準備のために活動を再開します。

腸は、朝食摂取後、胃に食事が入る刺激で「胃結腸反射」という大腸の動きを更に活発にする反射が起こり、排朝食後に排便を促すようになっています。

この胃結腸反射が起きる朝食摂取前にマッサージをすると、大腸のねじれをゆるませて便の通りを良くする下準備が整うため、朝食摂取後によりスムーズな排便を期待できるようになります。

 

夜のマッサージは就寝前だけでなく、入浴中に湯船で行うのもお勧めです。

湯船の中でなるべく寝そべる姿勢でマッサージをすると腹筋の力が抜けて大腸がゆらゆらし易くなるため、マッサージの刺激が腸に上手く届きやすくなります。

入浴中にマッサージを行う場合は、立った姿勢で行う状態ひねりは入浴前に行いましょう。

 

 

コツ2:マッサージの強さはお腹が少し凹む程度の強さ

マッサージをする際にお腹を刺激する強さは、指先が軽く沈む程度の強さでお腹をトントンと押すのがマッサージに適した強さです。

腸を押すのではなく、腸を左右からゆらしてねじれを取るのが目的なのでお腹をグイグイと強く押さえないようにしましょう。落下腸の場合の腸の押し上げも同じ程度の強さで行いましょう。

 

 

コツ3:日常生活に体のひねりを取り入れよう

ねじれ腸と落下腸による便秘を改善させるマッサージを1日2回朝晩行うのを基本にして、それ以外の日常生活の中でも体をひねる動作を意識して取り入れるとさらに排便力がupします。

ちょっとしたときに、上体ひねりを取り入れるようにしましょう。

 

 

コツ4:背筋を伸ばして姿勢を正しましょう

ねじれ腸や落下腸は生まれつきのものですが、姿勢が悪いとさらに悪化します。

とくに姿勢が前かがみの猫背になると、横隔膜が上から圧迫されやすくなり、胃や腸などの内臓全体が下に下がりやすくなるため、落下腸が悪化します。

背筋を伸ばして胸をはって、横隔膜を上に挙げる姿勢を保つと内臓全体が上に引き上げられるため大腸のねじれの悪化を防ぐことが可能です。

 

 

いかがだったでしょうか?

このマッサージは非常に有効なので、食生活や規則正しい生活リズムに取り入れるとさらに排便力がアップします。是非やってみて下さい。

ただし、妊娠中やおなかに腫瘍や動脈瘤がある人、腰が悪い人などは、これらを悪化させるリスクがあるため、マッサージを開始する前に、必ず主治医に確認してください!!

また、食後すぐや飲酒後すぐのマッサージも止めましょう。

お悩みの方は是非一度、ご相談ください。

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秋山 祖久総院長

国立長崎大学医学部卒業。
長崎大学医学部付属病院・大分県立病院など多くの総合病院で多数の消化器内視鏡検査・治療を習得。2018年11月より福岡天神内視鏡クリニック勤務。