おはようございます。医師の秋山です。
犬を散歩している方をよく見かけるのですが、最近、ボストンテリアを連れている貴婦人を発見しました。ボストンテリアは大好きです。勝手に「イギー」と名付けてます。
さて、今日は「短鎖脂肪酸」について解説したいと思います。
このブログで何回か取り上げたことがあるのですが、おさらいと最近の知見について解説したいと思います。
「短鎖脂肪酸」とは、腸内細菌の善玉菌が、食べ物を分解する過程でできる物質です。
食べ物の中でも、主に食物繊維を分解する時に産生されます。具体的な「短鎖脂肪酸」とは、「酢酸」「酪酸」「カプロン酸」などです。
腸にはたくさんの善玉菌が住んでいますから、それらの代謝産物である「短鎖脂肪酸」が腸の中で作られているんですね。
ちなみに、悪玉菌は「短鎖脂肪酸」を作りませんのでご注意を!
それでは「短鎖脂肪酸」にはどんな効果があるでしょうか?
①腸管運動のエネルギー源。
②①により、腸の蠕動運動が促進。
③免疫力を上げる働きがある。
④脂肪の蓄積を減らしてくれる。
⑤幸せホルモンである「セロトニン」を増やしてくれる。
以上のような働きがあります。
また、最近の知見として、「短鎖脂肪酸」は、免疫細胞であるT細胞の発生に大きな役割を果たしていることがわかりました。
T細胞の仲間として、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞があります。
余談ですが、私は大学院の4年間全てを「制御性T細胞」に捧げて医学博士を取得しました。ですので「制御性T細胞」には特別な思い入れがあります。
「制御性T細胞」は、キラーT細胞を監視しています。キラーT細胞は圧倒的な攻撃力で体内の異物を攻撃しますが、時に暴走することがあります。この暴走を止めるのが「制御性T細胞」です。
我々が風邪を引いて熱を出すのも、ワクチンを接種して副反応が出るのも、キラーT細胞の影響です。これが強すぎると、高熱が出たり、副反応が強く出たりします。
つまり、「制御性T細胞」が増えれば、そのような反応が軽くなる可能性があるのではないかと思います。
「短鎖脂肪酸」の中でも「酪酸」は、制御性T細胞を増やすことが確認されています。
「酪酸」と言えば「酪酸菌」
「酪酸菌」と言えば、「強ミヤリサン錠」です!
これ、なかなかドラッグストアに売ってません。見かけたら買ってみましょう。
風邪をひいてすぐ熱が出る方、ワクチンの副反応が出やすい方、この強ミヤリサン錠を試してみてはいかがでしょうか。
以上、「短鎖脂肪酸」の解説でした。
それでは今週も頑張りましょう。クリニックでお待ちしております。