胃カメラ検査ってどんな検査？その8
おはようございます。
前々回から診療中に患者さんから良く受ける胃カメラ検査に関する質問事項に関するお話を開始しました。
今回も前々回、前回の続きで診療中に患者さんから良く受ける胃カメラ検査に関する質問事項についてお話ししたいと思います。
Q１．午後からの検査のときは、検査当日は朝から検査終了まで絶食ですか？
A．当クリニックの胃カメラ検査では午前枠（13時までの時間帯）で検査する場合は、検査前日の午後10時から検査まで絶食です。
午後枠（13時以降の時間帯）で検査する場合は、検査開始予約時間の5時間前までは、胃内に残りにくい下記の食品のみ摂取可能です。
・ウイダーインゼリー
・卵（ゆで卵、目玉焼き、スクランブル）
・豆腐
それ以外の食品を食べると検査時に胃内に残っている可能性があります。胃内に食べ物があると検査に支障を来します。絶対に検査前は摂取しないでください。
特に、お米、麺類、動物性脂肪を含む乳製品（牛乳・チーズ・ヨーグルトなど）は胃に残りやすい食品となります。
また、胃がんなどで胃の外科的な手術（開腹手術、腹腔鏡手術）の既往がある方は、手術の影響で胃内に食べ物が残りやすくなっています。過去に胃の外科的な手術の既往がある方は、午後からの検査であっても胃カメラ検査の前日午後6時以降は絶食となります。
Q2．授乳中でも鎮静剤を使用した胃カメラ検査は受けられますか？
A．授乳中でも鎮静剤を使用した胃カメラ検査は受けられます。
鎮静剤には様々な種類があり、授乳中でも使用可能な薬があります。
ただし、鎮静剤を使用した胃カメラ検査を受けた場合は、検査後3時間後に1度搾乳し、搾乳した母乳は授乳させないで破棄してください。搾乳後以降の授乳は可能です。
事前に授乳中であることをお申し出ください。
Q3．妊娠中でも胃カメラ検査は受けられますか？
妊娠中に胃カメラ検査を行うと流産のリスクがあります。このため、当院では妊娠中の方には胃カメラ検査は行っておりません。
妊娠中に胃カメラ検査を行う必要がある場合は、まずは産婦人科主治医に相談をした上で、検査が必要と判断された場合は、産婦人科や小児科のある総合病院の消化器内科にご相談ください。
また、当院では妊娠の可能性が不明な方に対する胃カメラ検査も行っておりません。まずは、産婦人科で妊娠の有無を確認してください。
Q4．胃カメラ検査の際に生検による組織検査後は痛みがありますか？
胃カメラ検査の際に行う生検による組織検査は、食道や胃、十二指腸の組織を鉗子という器械を使って一部採取する検査です。採取した細胞を顕微鏡で調べて、細胞レベルで病気が無いかを調べる検査です。
食道や胃、十二指腸などの消化管の粘膜には、神経がないため、これらの臓器の粘膜から一部組織をとって傷ができても痛みは感じません。
Q5．胃カメラ検査でポリープが見つかった時は、そのまま切除まで出来ますか？
大腸カメラ検査では、検査時にポリープが見つかれば、その場で切除が出来ますが、胃カメラ検査の場合は、検査でポリープが見つかってもその場で切除は出来ません。胃のポリープの場合は、技術的に切除可能であっても切除後の後出血のリスクが高く、切除を行う場合は入院での治療となります。
胃カメラ検査時にポリープが見つかった場合は、まずは生検により組織検査を行い、その病理組織検査の結果を踏まえて切除をする必要があるかどうかを判断します。治療が必要なポリープの場合は、入院で治療が可能な医療機関へ紹介させて頂きます。
Q6．胃カメラ検査後にクルマを運転出来ますか？
鎮静剤を使用しない胃カメラ検査の場合は、検査終了後にクルマやバイク、自転車を運転することが出来ます。
しかし、当院での胃カメラ検査は、鎮静剤を使用することで苦痛を取り除く検査となっています。
鎮静剤を使用した場合は、検査後に約1時間程度休めば、意識はほぼ検査前と同じ状態に戻るため、検査後に自分で歩いて帰ることが出来るようになります。とはいえ、ほぼ普段と変わらない状況に戻ったとしても、鎮静剤を使用した後は軽い飲酒後のような状況が続く可能性があるため、検査当日は、クルマやバイク、自転車の運転は事故に繋がるリスクがあるため出来ません。また、高所での作業など危険の伴う仕事も出来ません。
これらに伴う事故が絶対に起こらないように、鎮静剤使用した検査を受けた場合は、必ずご協力をお願い致します。
胃カメラ検査当日にクルマでしかご来院出来ない場合は、必ずご家族など他の方に運転してもらうようお願い致します。
如何だったでしょうか？
胃カメラ検査を受けて頂く際の注意点をイメージするのに役立てば幸いです。
次回も胃カメラに関する良くある質問についてお話ししたいと思います。
ご不明な点があれば、クリニックに一度ご相談下さい。
